事業系廃プラスチックの処分方法を徹底解説|処分費や注意点も紹介します
「廃プラスチックの処分方法は?」
「廃プラスチックを処分する際の費用はどのくらいかかる?」
上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?
結論、廃プラスチックは廃棄物処理法の内容に従って処分する必要があります。とはいえ、初めて廃プラスチックを捨てる方は、それぞれどんな風に処分するのか、費用相場はどのくらいなのかを詳しく知りたいはずです。
本記事では、廃プラスチックの処分方法をご紹介し、処分費や注意点も解説します。廃プラスチックの処分のやり方や費用相場について知りたい方はぜひ最後までご一読ください。
廃プラスチックの処分方法
廃プラスチックは、廃棄物処理法が規定する「産業廃棄物」に該当します。そのため、東京都23区では「弁当ガラ系」のプラスチックを除き、一般廃棄物として処理ができません。
産業廃棄物は、事業活動によってでた廃棄物のうち、法令で定められた20種類のことを指します。
廃棄物の処理は、原則事業者自らが責任を持って処分する必要があり、事業者が廃プラスチック類を処分する場合は、廃棄物処理法に基づいて処分します。
なお、一般の家庭から出される廃プラスチックは、種類によって自治体ごとの基準により分別されるため、居住地域の自治体の規定に沿って処分しましょう。
廃プラスチックのリサイクル方法を3種類紹介
廃プラスチックのリサイクル方法は、主に以下3種類です。
- サーマルリサイクル
- ケミカルリサイクル
- マテリアルリサイクル
リサイクル方法を把握しておけば、廃プラスチックが出た際にスムーズに処分できるようになるでしょう。
以下3つの内容をぜひ参考にしてみてください。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルは、廃棄物を焼却する際に発生する熱をエネルギーとして利用するリサイクル方法です。
廃プラスチックは発熱量が紙ごみの2倍以上と言われているほどで、石油や石炭などと同様の発熱量を持っています。
そのため、廃棄物を燃料として再利用すれば、石炭・石油などの資源の消費を削減できるメリットがあります。
さらに、プラスチックが劣化して発生するメタンガスを抑えられる効果もあるため、地球温暖化の促進を防げるのも、大きな魅力です。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを科学的に分解し、原料として再利用するリサイクル方法です。
ケミカルリサイクルの手法として、主に以下のような方法が該当します。
- コークス高炉原料化
- ガス化
- 油化
どの方法も高温での熱分解や化学的な分解を行うため、異物やしつこい汚れなどが付着していてもリサイクルがしやすいです。
また、科学的に分解したプラスチックは水素やメタノール、アンモニアなどの化学物質へと変化し、資源の節約ができます。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを他の原料にして再利用するリサイクル方法です。
マテリアリサイクルを利用して作成した製品は、耐久性があり、軽くて施工が容易にできます。
切断・接合が簡単にできるため、汎用性が高いのが特徴です。
そもそも、廃プラスチックとは?
ここまで廃プラスチックの処分方法・リサイクル方法についてお伝えしましたが、そもそも廃プラスチックがどんなものなのか詳しく理解してない方もいるでしょう。
廃プラスチックとは、名前の通り廃棄物となったプラスチックです。東京都23区では弁当ガラ系廃プラスチックと産業系廃プラスチックに分けられます。
弁当ガラ系廃プラスチック(一般廃棄物扱い) |
食品を梱包していたビニール・プラスチック類のみ |
産業系廃プラスチック(産業廃棄物扱い) |
ペットボトル・発泡スチロール・ビニール袋・プラスチック片・包装材・フィルム類・スクラップ類・ビニール・ゴム手袋 |
廃プラスチックは、環境問題に大きく関わる問題でもあり、地球温暖化を促進させてしまう要因にもなります。
環境を悪くさせないためにも、産廃系廃プラスチックは先述した3つのリサイクル方法で再利用しているのです。
なお、プラスチックは加工しやすく、さまざまなものに使われており、主に以下のようなものが該当します。
- 衣類
- 工業製品
- OA機器
ぜひ参考にしてみてください。
廃プラスチックの種類(東京都23区の場合)
先述した通り、東京都23区の廃プラスチックは以下2つの種類があります。
- 弁当ガラ系廃プラスチック
- 産業系廃プラスチック
それぞれの種類について詳しく知ることができれば、分別しやすく処分方法も明確にしやすくなるでしょう。
それでは、順番に解説します。
弁当ガラ系廃プラスチック
弁当ガラ系廃プラスチックは、家庭や店舗、事務所などから出るプラスチック類です。プラスチック製弁当箱、おにぎり・サンドイッチのビニール、お菓子等のビニール袋が該当します。
産廃系廃プラスチック類と同じ材質でも、食品を梱包していたビニール・プラスチック類は一般廃棄物の「弁当ガラ等」として「可燃ごみ」や「産廃系プラスチック」とは分けて下さい。
23区指定の「不燃ごみ処理センター」に運ばれ、埋め立て処分となります。
産業系廃プラスチック
産業系廃プラスチックは、プラスチック製品の製造・加工、流通過程から出るプラスチックです。
様々なリサイクルが行われますが、リサイクルできない物は焼却したり埋め立てたりして処理されます。
事業活動に伴って生じた廃棄物であれば、民間の廃棄物処理業者へ収集を依頼しましょう。
廃プラスチックの処分費が高騰している理由
廃プラスチックの処分費は年々高騰しています。その理由は、国内の産業廃棄物の最終処分場が不足しているからです。
以前、日本は廃プラスチックを中国へ輸出していました。しかし、中国で処理ができなくなった廃プラスチックは東南アジアへと流れるようになり、途上国でのリサイクル処理が適切に行われずに日本で処理するしかなくなったのです。
国内で処分するのは問題ないのですが、処分場の数も限りがあり、処理キャパシティを圧迫するようになり、処分費用が約2倍にまで高騰しました。
さらに、2011年に東日本大震災や2016年の熊本大震災、2018年の西日本豪雨などの自然災害により発生した土砂を処分する必要があり、廃材が増えたことも要因の1つです。
当社の廃プラスチックの処分費
当社の廃プラスチックの処分費は、以下の通りです。
種類 |
廃プラスチック類 |
単位 |
kg |
処理単価 |
kg/50円〜 |
処理方法 |
破砕圧縮固化 |
当社は、廃プラスチックの収集運搬と廃プラスチックの中間処分・リサイクルの2つのサービスを中心に行っています。
廃プラスチック回収車両のルートを有し、廃棄物を収集運搬します。収集運搬後は自社リサイクル工場にて再商品化を行う流れです。
また、都内では珍しいRPF製造設備があり、廃棄物を燃料化しています。サーマルリサイクルし化石燃料の代替燃料として製紙会社に燃料供給をおこなっています。
廃プラスチック処分の2つの注意点
次に、廃プラスチック処分の以下2つの注意点についてご紹介します。
- 処理コストを考慮する
- 正しい処理方法を行う業者に依頼する
廃プラスチックを処分する前に注意点を把握することで、正しく処理ができるようになるでしょう。
以下2つの内容をぜひ参考にしてみてください。
処理コストを考慮する
廃プラスチック処分を行う際、処理コストを考慮することが大切です。
一般的に、廃プラスチックを処理する場合、中間処理後の委託先への料金が高騰した関係で処理コストが増加傾向にあります。
処理コストについて考えずに廃プラスチックを処分するとなれば、想像以上にお金がかかり後悔しかねません。
業者選びを行う際は、処理コストについて考慮して廃プラスチック処分を行いましょう。
正しい処理方法を行う業者に依頼する
廃プラスチックを処分する場合、正しい処理方法を行う業者に依頼する必要があります。
中には、不正処理を行う業者も存在するため、仮にそのような業者に依頼してしまうと環境の保全に悪影響を及ぼしてしまい、排出業者が措置命令の対象となる可能性があります。
業者選びを行う際は、廃棄物処理法に基づいて処理している業者かどうかを確認する必要があるでしょう。
弊社の廃プラスチックのリサイクル方法
当社は、東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及びリサイクル処分を行っております。特に複合素材のプラスチック類はリサイクルが難しいと言われていますが、当社では「RPF」により簡単にリサイクルすることが可能です。
リサイクルの流れは、まずは廃プラスチックの原料を粉砕機に入れて細かく粉砕し、RPF成形機によって固めます。
作られたRPFは、固定燃料として出荷されて石炭の代替え燃料として再利用されるのです。(RPFは石油や石炭に比べて約30%のCo2削減となります。)
処理が難しい廃プラスチックでも問題なくリサイクルするため、廃プラスチックの処理で相談したい方は、以下からお問い合わせください。
まとめ
本記事では、廃プラスチックの処分方法をご紹介し、処分費や注意点も解説しました。廃プラスチックは、廃棄物処理法が規定する「産業廃棄物」に該当するため、法律に基づいてきちんと処分する必要があります。
また、廃プラスチックをリサイクルする場合は、以下3つの方法で行われることを頭に入れておきましょう。
- サーマルリサイクル
- ケミカルリサイクル
- マテリアルリサイクル
当社では、事業系ゴミの処理に関する8種類の許可を持っており、廃プラスチックも取扱品目として入っています。
「廃プラスチックを処分したい」と思っている方は、ぜひ以下からお問合せしてみてください。
監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。