2021.02.15 業界情報
働く車、ゴミ収集車10の秘密
・町でよく見かけるごみ収集車どんなしくみなのかなぁ?
・特装車(働く車)に興味があるんだよね新たに会社の廃棄物担当を任されたけど、ゴミ関係の知識をつけたいんだよな
・ゴミ収集の同業者だけどほかの業者さんはどんなタイプの車両乗ってるの?
・特装車(働く車)に興味があるんだよね新たに会社の廃棄物担当を任されたけど、ゴミ関係の知識をつけたいんだよな
・ゴミ収集の同業者だけどほかの業者さんはどんなタイプの車両乗ってるの?
みなさんの町にも必ず「ごみ収集車」が日々働き、生活衛生を保っているかと思います。何気なく見ているごみ収集車ですが、実はいろいろな形があり、回収物に合わせてカスタマイズされているのをご存じでしょうか?地域特性などがあり、いろいろな色、模様などがります。
弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。
このブログ記事を読むことで、あなたはごみ収集車について非常に詳しくなるかと思います。車両もいろいろなタイプが存在しており、中には全国で年に数台しかオーダーされない車も存在しています。また、同業他社の方は他のごみ屋さんってどんなカスタマイズしてるの?と気になるものです。
弊社は通常タイプとは異なる車両を多く所有していますので是非ご参考にしてみてください。(分別君などは都内同業者さんからもツッコまれますよ!)
廃棄物の収集車両は生活衛生を保つために必要な特殊車両です。これをきっかけに少しでも我々廃棄物業界に興味を持っていただき、日々の中で環境負荷低減な活動を行っていただければと思います。
あなたの町に来ているゴミ収集車をよく見ると各社のこだわりを感じることができますよ!
あなたの町に来ているゴミ収集車をよく見ると各社のこだわりを感じることができますよ!
特装車とは
特定の目的に絞込み、自動車メーカーが製造したシャーシーに組み合わせた特別な車両です。主に、ごみ収集車、ミキサー車、ダンプ車、救急車、消防車など「働くくるま」と呼ばれる車両です。
廃棄物処理基準として、廃棄物収集にあたり、飛散、流失を防止すること、悪臭、騒音、振動、により生活環境への支障が生じないことが定められています。
街中でたまに見かけますが、テールゲートのスライドカバーを降ろさずに走行しているパッカー車を見かけます。廃棄物の飛散・流失させる可能性がありますので、遵守していないマナーの悪い業者ですね。
メーカー
特装メーカー
新明和工業株式会社 ・極東開発工業株式会社 ・株式会社モリタエコノス
自動車(シャーシーメーカー)
いすゞ自動車株式会社、日野自動車株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社
基本的なラインナップはどれも変わりませんが、各メーカー同士の愛称など一部適合しないものがあり、価格、微妙なラインナップの違いもあります。
購入する際は、お互い(自動車・特装)のメーカーさんと商談し車種などを選定していきます。慣れていると、いつものパターンで形が決まっており、スムーズに話が進みます。当社でも同じ車種であればすぐに商談が進みますが、新しい車種の場合は慎重に商談を進めます。各メーカーさんも数年に一度は(乗用車ほど多くはないですが)モデルチェンジをしますので、新機能を搭載した車種を選定します。
車両の色・社名など
まず、基本として「会社名」「許可番号」などは記載し、廃棄物許可の区分によりルールに従う必要があります。
一般廃棄物収集車両(各地方自治体による)
東京23区では指定色があり、すべての許可車両は以下のようなルールがあります。
特別区・東京二十三区清掃協議会 一般廃棄物処理業の手引より
表示する社名・許可番号などにも文字のサイズ、文字間隔、フォント指定などがあります。
産業廃棄物収集車両
産業廃棄物を収集運搬する場合はその運搬車両に
1.産業廃棄物を収集運搬している旨の表示
2.業者名
3.許可番号(下6けた以上)
色などの指定はありませんので、好きなカラーリングで社名などをアピールすることが可能です。弊社の産業廃棄物収集車は某大手コンビニエンスストアの車両と間違えられます。リサイクルを推進していますので、巻き込みをせずにそのままの状態で自社リサイクル工場へ運搬します。
専ら物収集車両
専ら物(もっぱら)を運搬する際はどの車両でも可能です。
一般廃棄物車両・産業廃棄物車両・許可なし車両など色や、文字の表示制限などもありません。当社では古紙(段ボール)を運搬しています。
回収物
決められた許可内容の基準に従い、各種専用車両としなくてはいけません。
一般廃棄物と産業廃棄物を混合で積むこともできません。専ら物に限ってはどの許可車両でも収集・運搬が可能です。
回収方式
プレス式
新明和工業株式会社より
回転式
極東開発工業株式会社より
排出方法
押し出し式
ダンプ式
各種名前・装備・しくみ
後方積込操作パネル
排出操作パネル
装備・オプション
計量器
弊社のパッカー車はすべての車両に計量器を搭載しています。
積載量は250kgほど少なくなってしまいますが、正確な重量を把握できますので必須装備です。
積載量は250kgほど少なくなってしまいますが、正確な重量を把握できますので必須装備です。
テールゲート
こちらも各社の色が出る部分です。
弊社は反転装置を使用していますのでこのようなパターンが多いです。
弊社は反転装置を使用していますのでこのようなパターンが多いです。
横かご
エンジン、排ガス除去装置のレイアウトにより異なりますが、物入を設置しています。
低騒音
電気で動き制御し、先ほどの低速とは違い、静かに早く回収が可能です。低騒音機能での、高速スイッチ入りでの回収が「静かに、早く」回収が可能です。
連単スイッチ
連続巻き込みか、1回のみの巻き込みかを切り替えます。当社では、労働災害、騒音低減、エコドライブの為基本「単発巻き込み」回収となります。
反転装置
専用ゴミBOXを引っ掛け、持ち上げ回転させるために使用します。重量物を回収する際は便利な機能で、弊社では希望の排出事業者に向けて専用ゴミBOXを貸出しております。
爪の操作盤
爪の動きを操作する、「上昇」「下降」「反転」ボタンが設置されています。回収中の異物などを除去する際は、爪を動かし対応します。
タイプ別
分別くん
左右に箱が分かれており、一度に別々の廃棄物を分別収集することが可能です。通常の回収車両は3-4台、一事業所へ向かいます。
・一般廃棄物 可燃ごみ
・一般廃棄物 不燃ごみ
・産業廃棄物
・古紙(大量に排出する場合)
これを合理化できるのが分別くんの強みです。当社では積載量を増やすために、増t使用の分別くんが4台存在します。
車両積載:3,200kg前後(両方合わせて)
回収品毎の積載量(片側に入る量)
・生ごみ:2,000kg前後
・弁当がら:1,000kg前後
・段ボール:500kg前後
許可の範囲内での分別収集となりますので、片側が一般廃棄物、もう片側に産業廃棄物というわけにはいきません。担当メーカーさんによると、全国で年に数台しか売れないようです。値段ははっきりとしたことは言えませんが2台買うよりは安いですよ。
檻かご付
最近よく見かけるようになった、キャビンと特装車箱の間にかごが付いている車両です。分別くんほど分別回収はできませんが、専ら物であれば回収可能です。
古紙段ボール専用
反転装置がなく、テールゲートも広めに作られています。段ボールなどは巻き込む際に反発がすごいので、テーブルを広くすることで地面への落下を防ぐことができます。10㎥の箱にプレス式で圧縮し積み込みます。
値段
車種によって異なりますが、「プレス式」「回転板式」ですと、回転式の方が安価です。
しかし、プレス式の方が汎用性が高いので当社でも大多数は「プレス式」を採用しています。以下はプレス式の【新車参考価格】になります。
しかし、プレス式の方が汎用性が高いので当社でも大多数は「プレス式」を採用しています。以下はプレス式の【新車参考価格】になります。
2・3tタイプ:1,000万円ほど
4tタイプ: 1,000万円~
増トンタイプ:1,200万円~
驚くような値段ですよね、高級外車が買える価格です。納期は1年ほどかかりますので、忘れたころに納車します。
洗車・整備
当社では、社内で洗車コンテストを行っています。点検箇所は約30か所ほどあり、責任者が厳選にチェックを行っています。
洗車チェックを行うことで、以下のような効果があります。
洗車チェックを行うことで、以下のような効果があります。
会社の看板車両であるトラックを大事に扱い
事故の削減
走る広告塔である車両が清潔であるので社会的信用が増加
車両の異変認知
事故の削減
走る広告塔である車両が清潔であるので社会的信用が増加
車両の異変認知
ゴミを回収しているので悪臭が当たり前では、地球環境保全はできません。
当社のスタッフは綺麗好きが多く、車両もしっかりときれいにしてくれます。
町で見かけることがあった場合は、ステッカーが貼り付けられている車両が優秀な車両になりますので是非チェックしてみてください。
当社のスタッフは綺麗好きが多く、車両もしっかりときれいにしてくれます。
町で見かけることがあった場合は、ステッカーが貼り付けられている車両が優秀な車両になりますので是非チェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか、是非みなさんのご参考にしてください。
監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。