産廃情報ネット
2025.05.24 業界情報

リチウムイオン電池による火災が急増中!「モバイルバッテリーの正しい捨て方」

はじめに|現場で起きている“危険”を知っていますか?

スマートフォン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、電子タバコ…。
これらに使われているリチウムイオン電池は、今や私たちの生活に欠かせない存在です。

しかし今、その廃棄方法を間違えることで、廃棄物処理施設やごみ収集車の火災が急増しています。

私たち利根川産業(東京都足立区入谷)も、実際にモバイルバッテリーが混入したことで自社施設内で火災が発生(ボヤ)しました。
幸いにも大事には至りませんでしたが、あと少し対応が遅れていれば、作業員の安全や地域の環境に深刻な影響を及ぼす可能性もありました。

利根川産業は廃棄物処理の“第一線”を40年以上歩んできた専門業者です

この記事は、40年以上にわたり東京都で産業廃棄物の収集運搬・中間処理を行ってきた専門事業者・利根川産業が執筆しています。

  • 東京都内で約500事業所の廃棄物回収を実施
  • 東京都足立区入谷に自社リサイクル工場を保有

  • 廃プラスチック、古紙、段ボール、ペットボトル、発泡スチロール、缶ビンなど幅広い再資源化に対応

  • 東京廃棄物事業協同組合・理事として安全啓発活動も実施

  • ISO14001認証取得・エコドライブ推進など持続可能な業務を展開

私たちは「現場の視点」から、モバイルバッテリーの誤廃棄が引き起こす重大事故の現実をお伝えします。

火災が起きるメカニズム|なぜリチウムイオン電池は危ないのか?

リチウムイオン電池は、衝撃・加熱・ショートなどにより発火・爆発のリスクがあります。
廃棄物処理の現場では、以下のようなシチュエーションで火災が発生しています:

  • ごみ袋に混入した電池が収集車の圧縮機で破損・発火

  • 分別作業中に選別ラインで発煙・炎上

  • 破砕機やプレス機での圧力で爆発的に発火

処理現場では「何が混ざっているか外からは分からない」ことも多く、発火時には消火困難・二次災害の恐れもあります。

▼より詳しくは下記の外部サイトをご覧ください。

リチウムイオン電池による発火の危険性について 公益財団法人日本容器包装リサイクル協会

「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクト 環境局

実際に弊社で起きた火災事例

利根川産業の入谷工場(東京都足立区)では、廃棄物選別中に発煙・発火事故が発生しました。
調査の結果、原因はモバイルバッテリーが不燃ごみ(プラスチックごみ)に混入していた可能性が高いことが分かりました。

幸いにも弊社スタッフの迅速な対応により大きな問題には至りませんでした。

このように、たったひとつの異物混入が、工場や社員の安全に大きな影響を与えるのです。

全国で相次ぐ事故|リチウム電池の廃棄ミスは他人事ではない

環境省の調査によると、ごみ処理場などでのリチウムイオン電池が原因の火災事故は年間1万1,000件以上発生しているとされています(全国1741市町村の合計)

以下は、全国で実際に報道されたリチウム電池による事故の一部です:

これらの火災事故のほとんどは、「リチウム電池が誤って一般ごみに混入した」ことが原因です。

SNSでも注意喚起|TikTokで「見える化」しています

利根川産業では、TikTokやYouTubeを活用して現場のリアルを発信し、若い世代や一般の方々への注意喚起を行っています。

📱 TikTokアカウント:トネガワさん ゴミ回収inTOKYO|利根川産業

※実際の映像は下記画像をクリックください。

投稿例:

  • 「モバイルバッテリー、燃えるごみに出すとどうなる?」

  • 「実際に火が出る瞬間をシミュレーション」

  • 「捨てる前に確認!バッテリー入り家電チェックリスト」

“誰もが関係するごみ”だからこそ、日常に届く発信を心がけています。

正しい処分方法|家庭・事業者でもできる“火災予防”の第一歩

ご家庭からリチウムイオン電池やモバイルバッテリーを含む機器の正しい処分方法は、以下の通りです。

廃棄物の種類 処分方法
モバイルバッテリー 家電量販店の回収BOX/自治体の小型家電回収
スマートフォン 販売店の下取り・リサイクル回収
電池内蔵の小型家電 小型家電リサイクル法に基づく指定回収ルート

🚫 絶対に「燃えるごみ」「不燃ごみ」には出さないでください。
わからない場合は自治体のホームページや回収ステーションの案内を必ず確認しましょう。

事業者からリチウムイオン電池やモバイルバッテリーを含む機器の正しい処分方法は、以下の通りです。

✅ 1. 分別の徹底:他の廃棄物と混ぜない

リチウムイオン電池を含む製品は、他の廃棄物と混ぜず、必ず分別してください。混合廃棄は火災や爆発のリスクを高めます。

✅ 2. 許可業者への委託

廃棄物の収集運搬や処分は、適切な許可を受けた業者に委託してください。

✅ 3. 契約締結

処理委託時には、契約を締結し、契約内容を明確にしましょう。

✅ 4. マニフェストの交付

産業廃棄物の処理には、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し、処理の流れを記録・管理してください。

✅ 5. 処理の確認

廃棄物が最終処分されるまでの処理過程が適正に行われていることを確認し、記録を保持してください。

🚫 絶対に「燃えるごみ」「不燃ごみ」には出さないでください。
契約締結している許可業者にを必ず相談しましょう。

マテリアルリサイクルとは?3つの課題や流れも紹介します

利根川産業からのメッセージ|正しい廃棄が未来を守る

私たちは、「廃棄物処理=社会インフラ」として日々、地域の環境と安全を支えています。
しかしその現場では、“1つの誤廃棄”が火災、設備損傷、労働災害に直結するリスクを常に抱えています。

だからこそ、すべての人に“正しい捨て方”を知っていただきたいと願っています。

お問い合わせ・法人様向け廃棄相談も受付中

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✅事業ごみ(法人) 廃棄物処理(収集・処分)のご相談
✅社内研修用の啓発資料提供
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📍所在地:東京都足立区入谷8-3-8(本社及びリサイクル工場)

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利根川 靖

監修

利根川 靖

株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。

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