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2021.10.11 業界情報

知らないと社会的信用を落としかねない「排出事業者責任」とは? 排出事業者責任を果たすために、知っておきたい3つのポイント

ゴミを排出しているそれぞれに、責任が課せられているのはご存じでしょうか?ゴミを収集した業者が正しい処理をしていない場合、ゴミを排出したあなたの企業まで責任が及ぶ可能性があります。そこで、本記事では、排出事業者責任を果たすために知っておきたいポイントを3つに絞込み取り上げます。

まず「排出事業者責任」について説明しましょう。

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、事業者に対し以下のように定められています。

  • 事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない
    (第3条第1項)
  • 産業廃棄物を自ら処理しなければならない
    (第11条第1項)

そして、適正な処理を行っていない廃棄物処理業者に委託していたことが明らかになれば、以下のようなリスクが生じます。

  • 排出事業者も廃棄物処理法の措置命令の対象なる可能性がある
  • 社名が公表され社会的な評価を落とすことになる

これが、「排出事業者責任」です。
では、「排出事業者責任」を果たすために、何をすればよいのでしょうか。

ポイント1 
自社で排出するゴミの種類、分別方法を知り、正しく分別を行おう

 

法律(廃棄物処理法)では、「廃棄物」を一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。条例(東京23各区の廃棄物処理条例)では、一般廃棄物をさらに「家庭廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分けています。

※一般廃棄物の中でも人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがあるもの。厳重に管理する必要がある。

<事業系一般廃棄物>

可燃ゴミ
生ごみ(残飯、調理後の野菜、たばこの吸い殻、茶殻など)、紙くず(書類、シュレッダーくずなど)、木くずなど

不燃ゴミ
弁当ガラ(生ごみなど有機物が付着したプラスチック類)
※イメージとして、コンビニの弁当を食べた後の空容器を想像してください。

<産業廃棄物(20種類)>

あらゆる業種から排出されるもの
(1)燃えがら (2)汚泥 (3)廃油 (4)廃酸 (5)廃アルカリ (6)廃プラスチック類 (7)ゴムくず (8)金属くず (9)ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず (10)鉱さい (11)がれき類 (12)ばいじん (13) 紙くず

業種が限定されるもの(業種指定外から排出される場合は「事業系一般廃棄物」になる)
(14)木くず (15)繊維くず (16)動植物性残さ (17)動物系固形不要物 (18)動物のふん尿 (19)動物の死体 (20)以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの

ゴミの種類により許可が異なり、回収車両も異なります。1つの車両に対して一般廃棄物または産業廃棄物の許可が割り振られています。当然ですが1台の車両ですべての廃棄物を運搬することはできません。

分別基準の簡素化は、廃棄物処理手数料の高額請求につながります。

排出事業者が楽なようにと分別基準を曖昧にし、一般廃棄物の不燃ゴミ(弁当ガラ)と産業廃棄物の廃プラスチック類を混合にするなどはよくある例です。

ビニール類をまとめて引き取ってくれる回収業者は、手間がかからないため、メリットと感じるかもしれませんが、適正処理やリサイクルの観点からすると要注意。分別は排出者事業者にとって、基本中の基本です。処理施設も、分別されていないものを受入(処理)してくれる施設はありません。

それなのに、分別されていないゴミを回収してくれるということは、

1.回収後にゴミを分別していることから、高額な処理手数料が発生する
2.適正にリサイクルされずに、埋め立て処分や焼却処理されている
3.環境負荷が高まる

といった可能性があります。回収業者と契約するとみは、必ず、分別のルールを確認してください。

利根川産業では、適正に分別していただくために、取引開始の際は必ず廃棄物分別マニュアルをお渡ししています。適正に分別するための知識の向上や、リサイクル率の向上、廃棄物処理手数料の削減のために、マニュアルは面倒でもきちんと読んでいただきたいと考えています。

ポイント2
数あるゴミ収集業者の中から正しい業者を選ぼう

どんなに正しく、ゴミを分別しても、廃棄物業者が不正を働いたら、元も子もありません。例えば、東京23区に登録している廃棄物収集業者は、約500社です。収集業者は、区単位で許可を取得していて、許可のない区に回収に向かうことはできません。たくさんある業者の中から正しい業者をどのように選べばいいのか、そのポイントをお伝えします。

廃棄物を収集・処理するうえで契約書の締結とマニフェスト(廃棄物管理伝票)の発行は必須事項となります。

■契約書

廃棄物を運搬・処理するには必ず契約書を締結しなくてはいけません。契約書の内容でチェックする項目は以下の通りです。

  • 処理を委託する相手は処理業の許可を有する者か
  • 廃棄物の処理が事業の範囲に含まれていること
  • 委託契約は書面で行うこと
  • 契約終了した場合は5年間保存すること
  • 産業廃棄物の契約の場合は、収集する者と処分する者との2者間で契約すること

■マニフェスト

マニフェストとは廃棄物管理伝票のことで、廃棄物をどこに運搬し、どのように処理するのかを記したものです。マニフェストの目的は以下の通りです。

  • 排出事業者の廃棄物処理責任の意識強化
  • 排出事業者の適正処理の確保
  • 排出事業者の減量・リサイクルの推進

 利根川産業では、契約書の作成(電子契約も対応可能)を行っており、マニフェストもしっかりと発行いたします。

■請求書

契約書やマニフェストの他にも、請求書などに収集しているゴミ量の詳細データが記載しているのかも判断基準となります。請求書の明細を確認してみてください。

  • 回収項目ごとに料金が表示されていますか?
  • 単位が「一式」となっていませんか?
  • 正確な重量(日別・月別)が記載されていますか?

料金単価は安くても重量を増量している可能性もあります。そこに気づくにためには廃棄物種類ごとの重量は定期的に計量することをお勧めします。

ちなみに利根川産業はこのような明細を毎月作成しています。

  • 廃棄物ごとに単価・重量を記載しています。
  • 廃棄物ごとに日別明細も記載しています。
  • 重量は計量器付き回収車両で正確に計上しています。

■会社の姿勢

会社の姿勢をチェックすることも判断基準となります。誠実に仕事をしている業者を選ぶために確認したい事項は、以下の通りです。

  • 事務所、営業のスタッフ、収集担当ドライバーの態度・対応・身なりなどがきちんとしていること
  • 収集車両の清掃は行き届いていること
  • 許可を有していること
  • 移動時に防臭扉を閉めていること(閉まっていないと、ゴミを飛散させてしまう)
  • 回収後のゴミ置き場がきれいになっていること

 一度、こっそり、収集しているときのドライバーの様子を見て、どんな感じかを確認してください。

 利根川産業では

・ドライバーミーティングを定期的に開き、安全研修やマナー研修などを実施
・収集車両は社内コンテストにて厳正にチェックを実施

などを行っています。万が一、利根川産業のドライバーの態度に不審な点があったり、収集後のゴミ置き場が汚れていたりしたら、すぐにお知らせください。

 

ポイント3
廃棄物に関心をもち、自社の排出したゴミを処理している施設を見学する

廃棄物処理工場

排出事業者には、自分が出したゴミがどのように処理されているかを、最後まで見届ける義務があります。委託した廃棄物業者が、どのように処理をしているのか、施設を見学して、状況を確認してください。施設を見学することにより、契約書・マニフェストに記載された通りに自社の委託した廃棄物が処理されているかを確認できます。

これまで一度も見学をしたことがない事業者の方は、ぜひ、一度、見学することをお勧めします。委託している収集業者に、「ゴミ処理の現場を見たい」と言ってみてください。快く応じてくれいない収集業者との取引は避けるべきです。

利根川産業では、施設見学を随時受け入れています。弊社と直接取引をしている排出事業者はもちろん、弊社にゴミを持ち込む収集事業者が、排出事業者を伴って、見学に来るケースもあります。ぜひ、一度、弊社自慢の廃棄物リサイクル施設をご見学ください。

まとめ

排出事業者責任を果たすために、知っておきたい3つのポイントとして、

  1. 自社で排出するゴミの種類、分別方法を知り、正しく分別を行う
  2. 数あるゴミ収集業者の中からを正しい業者を選ぼう
  3. 廃棄物に関心をもち、自社の排出したゴミを処理している施設を見学する

を取り上げました。いかがだったでしょうか。ゴミの回収を依頼する際の参考にしてください。
業者を探している方は、ぜひ一度、利根川産業にお問い合わせください。お待ちしています。 

補足:実際にあった廃棄物業者の違反事例

違反

  • 路上で、他の車両への廃棄物の積み替え
  • 一般廃棄物を他の市区町村の清掃工場へ搬入
  • 汚水を道路の排水溝に排出(不法投棄になる)
  • 清掃工場へ産業廃棄物を搬入(分別が不十分なままの持ち込みとなる)
  • 許可のない廃棄物を収集
  • 廃棄物の不法投棄
  • マニフェスト(廃棄物管理伝票)の運用違反(不交付、虚偽記載などが起きている)
  • 廃棄物の再委託

上記のような違反が実際にある事例です。
違反事例の代表ともいえる「不法投棄」ですが、「不法投棄なんか田舎の業者が行うのでしょ?」と思っている方もいらっしゃるかと思います。比較的多く発生する違反例が、廃棄物を回収し、圧縮したときに出る水分(汚水)の不法投棄です。廃棄物回収をしていると回収車両に汚水タンクが満タンになってしまうことがあります。そこで、タンクから水があふれそうになると、汚水を道路の側溝に捨ててしまうのですが、廃棄物由来の汚水も「廃棄物」ですから、側溝に捨てるのは「不法投棄」です。このような違反例は、ここ10年の間でも5件ほど摘発されており、該当業者は許可停止処分を受けています。

廃棄物業者の違反行為ですが、「排出事業者責任」を問われ、以下のような罰則が適用されます。不法投棄の場合は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科となります。

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