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2022.03.12 法令情報

プラスチック新法成立!プラスチック係る資源循環の促進とは?

プラスチック新法成立!プラスチック係る資源循環の促進とは?

今回の記事はこんな人にオススメです

●どういう内容の法律か分からない?
●自分たちの業種は該当するのか?
●罰則はあるのか?

なぜプラスチックの新法が必要なの?

2022年4月1日よりプラスチックに係わる新法が施行されることになりました。
プラスチック製品は現代社会になくてはならないモノですが、昨今様々な環境問題を抱えているのも事実です。
法律ができるからには解決すべき問題が発生していることの裏返しでもあります。その問題背景から読み解き、法律の中身も触れていきたいと思います。

読者が記事を読むメリット 

  1. 新たなビジネスチャンスの可能性があります
  2. 法令違反により会社の評判を落とす可能性があります
  3. 先行して取り組むことで会社の評価も上昇する可能性があります

目的はプラスチックの削減、国内で資源循環をすすめるため!

目的はプラスチック使用量の削減です!!
簡単にまとめますと以下の通りです。

・日本国内での廃プラスチック有効利用率が低いため
・海外への廃プラ輸出規制にて自国内リサイクルが求められるため
・世界的課題である海洋プラスチックごみに対応しないといけないため
・日本は世界で2番目の1人当たりの容器包装廃棄量が多いため
・2050年カーボンニュートラル実現のため

新法の目指す「目標」

プラスチック 3R+Renewableを徹底する
簡単にまとめますと以下の通りです。

・使い捨てプラスチックの使用を減らす
・使用後は繰り返し使用する
・リサイクルしやすい設計にする
・エコ素材(バイオマス)使った製品作り
・燃えるごみ処理中心からリサイクル量を増やす

数値目標は下記の通りです。
      マイルストーン

いつから開始するのか?

2022年4月1日から
施行開始、成立した直後に急激に変わるような法令ではありません。先行で対応している企業もありますが、5年ぐらいで徐々に対応していく流れだと思われます。

誰が何をすればよいのか?

リサイクルの循環
図のように製品が生まれる前(設計・製造)から廃棄(回収・リサイクル)に至る過程で、
プラスチック使用抑制・削減をしていくことが求められます。
 「国」「事業所」「一般消費者」「地方公共団体」それぞれ異なる役割を求められます。
ここでは対象ごとの法制度が求める役割を説明していきます。

① 設計・製造事業者(プラスチック製品製造業者)

3R+Renewable視点で、製造から廃棄まで一連の流れで環境影響を低減する取り組みを実施する

主な取り組み

・原料使用量削減
・部品の交換がしやすい設計
・リサイクルしやすい素材を使用
・長期使用可能など
・再生プラやバイオプラの利用
・取り組み内容をHPや取扱説明書などに記載し情報発信を行う

➁販売・提供事業者 (コンビニ、飲食店、スーパー、ホテル、旅館、クリーニング、衣料販売など)

主な取り組み

・特定プラスチック使用製品(スプーン・フォークなど)の使用の合理化(使い捨てプラスチック使用規制・削減)
・特定プラの削減目標を策定する
・特定プラの排出抑制策を実施
・HPなどで排出削減に関する掲示や自社の取り組み内容をHPなどに公表する
・体制の整備:責任者を配置し従業員医に対し研修等を行う
・実施状況の確認:特定プラの提供料や取り組み状況を適時確認し、インタネットなどで公表する
※「多量提供事業者」の該当基準
前年度に特定プラスチック使用製品の提供量が「5トン以上」の事業者は「多量提供事業者」となります。取り組みが不十分の場合は勧告や公表の対象になります。
提供料が5トン以上で非常に低い値のため、多くの事業者が該当してきます。公表などによる企業イメージが損なわれるのは避けられません。

特定プラスチックとは?

現状使い捨てで使用されている12品目が対象となります。
特定プラスチック使用製品提供事業者の業種

プラスチック抑制・削減 先行事例紹介

・飲食店やコンビニエンスストアなどで、木製スプーンや紙ストローを提供する
・テイクアウトの飲料の蓋をストローが不要な飲み口機能付きに変更する
・スプーンやフォークを有償で提供する
・宿泊施設で、アメニティを部屋には置かず、必要な方はフロントに声をかけたりアメニティコーナーで受け取ることができるようにする
・クリーニング店でハンガーを店頭回収し、リユースまたはリサイクルを行う

自主回収・再資源化する事業者たち

販売店や提供する事業者が自主回収し再資源化を行うことも国に認定することで可能となります。法施行までに先行で実施している企業も複数あります。
ごみの再利用

③排出事業者(事務所、工場、店舗等で事業を行う多くの事業者が対象)

主な取り組み

・プラスチックごみの削減計画を立て実施する
・資源化に繋がる処理方法を選択する(燃やすごみは最終手段)
・禁忌品を混入しない(リチウムイオン電池など)
・多量排出事業者に関しては削減目標を定め取り組みを行うこと
・多量排出事業者は、毎年度、前年度の排出量及び目標の達成状況に関する情報をインターネット等で公表するよう努めること
※多量排出事業者とは
前年度におけるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が250トン以上である排出事業者多量排出事業者に対しては、取組が著しく不十分な場合に、勧告・公表・命令を行うことがあります。

④一般消費者

購入できる消費者にもできることは多くの役割があります。

主な取り組み

・環境配慮したプラスチック製品を優先的に購入する
・使いすてプラを極力使用しない
・受け取りを断る
・プラスチック製品の自主回収に協力する
・分別してごみを出す

⑤市町村

役割のメインはは市民から出されるプラスチック製品の分別収集・リサイクルです。リサイクルするためにまず取り組まなければならないことは、「分別排出」となります。今後5年間でプラスチック製品のごみ捨てルールはより細かくなっていくと思われます。

主な取り組み

・分別収集・リサイクルを行う
・プラスチック使用製品廃棄物の分別ルールを市民の皆様に周知する
・プラスチック資源回収を拡大する(燃えるゴミ量削減)
・プラスチックの資源化するフローを作成する(分別収集・再商品化)

まとめ

一般市民ももちろん対象ですが、罰則等を勘案すると事業者がメインとなります。
ポイント

 ・自社が取り扱うプラスチックの提供料・廃棄量を調べる

 ・どのように削減・抑制していくか計画する

 ・処分先がどのようなリサイクルをしているか調べる

                                    
今回は法律の概要を大まかに解説させて頂きました。こうした環境に係わる法体系はますます厳しくなることが予想されます。今回の法令をきっかとして社会全体で、「3R」を強く持ち暮らしていくことが求めれらるのではないでしょうか。世界全体で持続可能な世界に変わっていってほしいと説に願います。
↓より細かい内容を知りたい方は、環境省が作成したこちらが分かりやすくお勧めできます。
プラスチック資源循環

私たちにできること

利根川産業では、廃プラスチックの「資源化」事業を中軸に捉え、埋め立て処分量のゼロ・エミッション化、廃棄物の削減、天然資源の枯渴防止とCO₂発生抑制に大きく貢献するために、最大限努力していきます。
  ペットボトルリサイクル 発泡スチロールリサイクル RPF固形燃料製造
脱団祖化社会に向けて私たちはSDGsに取り組んでいます
利根川 靖

監修

利根川 靖

株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。

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