産廃情報ネット
2021.04.16 法令情報

これだけは押さえるべき産業廃棄物の基本について2

このブログを読むことで廃棄物の種類である産業廃棄物について深く理解することができます。  (前回の記事、産業廃棄物についてはこちら)
廃棄物は一般廃棄物産業廃棄物に分かれます。一般廃棄物についてはこちらの記事をご覧ください。 

金属くず(あらゆる事業活動に伴うもの)

金属くずとは

廃棄物処理法 第2条第4項、政令第2条で「ハンダかす、鉄鋼、非鉄金属の研磨くず、切削くずなど」と定義されています。

「あらゆる事業活動に伴うもの」とされているため、金属加工場等の専門的な場所から排出されるものだけでなく、オフィスビルやスーパーマーケット、飲食店等全ての事業所から排出される鉄・非鉄の類で「金属」と呼ばれるもの全般を言います。

スチール棚、机、ハサミ、包丁等がこれに該当し、複合素材のものでは金属が構成素材の最大値を占めるものも金属くずとなります。

もちろん、飲料・食品用のスチール缶やアルミ缶も含まれていますので、契約書の締結、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行が必要となります。

缶は専ら物?

よく、缶は「専ら物」(もっぱらぶつ)だから産業廃棄物ではないのでは?と聞かれますが、それは間違いです。「専ら物」として認められるのは、産業廃棄物処理業の許可を有していないものの、空き缶のリサイクルを専門に行っている方のみに許されている特別な呼称で、弊社のように産業廃棄物処理業の許可を有している者が取り扱う際には、産業廃棄物の金属くずに分類されるのです。

その理由として、「専ら物」とは「専ら再利用を行っている物」の略であり、空き缶の他ではガラスびん、古紙、古布の4種類と決まっています。この4種類は、廃棄物処理法が制定される以前から生業として成立していた物で、この4種類については昔から「商品価値(売却益)があるため、捨てる物ではない。」との慣例に基づき、後から制定された産業廃棄物処理業の許可を取得しなくても取り扱ってもよろしいという特別なものなのです。

当然のことながら、空き缶のみを許可なく取り扱っている方よりも産業廃棄物処理業の許可を有している者の方が守るべき法令や規則がありますので、それに従わなければならず、契約書やマニフェストが必要になるのです。

但し、空き缶を含む金属くずを「0円(※)又は有価物(有償)」として取り扱う場合には契約書やマニフェストがなくても構いません。

※「0円」の場合は産業廃棄物であるとの見解もあります。但し、空き缶のような明らかに有価物として売却できる物のついては「0円」でも、過去に違反事例となったケースはありません。

 

金属くずのリサイクル

金属は大別すると「」と「非鉄」に分類されます。リサイクルの手始めとして「破砕処理」(シュレッダー)を行い細かくしていきます。次は「選別処理」となりますが「鉄」は磁石に反応してくっつくので容易に区別ができますが、「非鉄」は磁石にくっつかないので銅、アルミ、ステンレス等の種類ごとに選別する必要があります。

金属くずの分別方法は「磁力選別」(磁選別、渦電流選別)、「比重選別」(乾式比重選別、湿式比重選別)等々様々ですが、ここでは「渦電流選別」をご紹介しましょう。しかし、磁石にくっつかない「非鉄」の磁力選別とはどういったものなのでしょう。

「渦(うず)電流選別機」と呼ばれる特殊な磁力選別機に破砕した鉄、非鉄、プラスチックを投入したとします。形状は、ベルトコンベアの端の部分(ローラーがある部分=ローラーが磁力装置)を想像して下さい。この装置は基本的に磁力選別機なので、ベルトコンベアの上に乗って移動してきた磁石にくっつかないプラスチックはローラーの一番外側の端の部分から下に落ちます。鉄はくっついていくのでローラーの真下の中心部で落ちます。一方、問題の非鉄はというと、ベルトコンベアの上を流れて行きローラー部分にくると、そのまま進行方向に弾き飛ばされる仕組みになっているのです。

何かに似ていませんか? そう「リニアモーターカー」の原理です。磁石にくっつかない非鉄であっても、磁力そのものは非鉄の内部を通過していて、通過の途中で磁場(N極とS極)を切り替えると反発して移動するという「渦電流」の作用を利用しているのです。ちなみに、この「渦電流選別機」のことを「リニア」とも言います。納得ですね。

この渦電流にはもう一つ便利な特徴があります。この反発力は、非鉄の種類ごとに異なるため、銅、アルミ、亜鉛等はそれぞれ微妙に落下位置が異なり、分別が容易にできるのです。

なお、この渦電流選別機ではステンレスは選別できませんので、蛍光X線センサーや電磁誘導選別機と組み合わせて選別の精度を高める必要があります。

こうして種類ごとに分別された金属くずは、種類ごとにリサイクルされていきます。

 

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずとは

廃棄物処理法 第2条第4項、政令第2条で「ガラスくず(板ガラス等)、耐火レンガくず、タイル・陶磁器くずなど、石膏ボード、コンクリート製品の製造工程からのコンクリートくず」と定義されています。

前項の金属くず同様、ガラ陶くずも業種に関係なく全ての事業所から排出されるガラス製品、陶磁器類と製造工程から排出される石膏ボードやコンクリートくずのことで、別の産業廃棄物で「がれき類」との違いは、「がれき類」は工作物を除去した際に排出されたもののことを言います。

皆さんの事業所から排出される石膏ボードやコンクリートくずは、基本的に「がれき類」かも知れませんね。
ガラ陶くずのうち、ガラスびんも「専ら物」と言われことが多いですが、こちらも「空き缶」同様に産業廃棄物ですので、ご注意下さい。

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずのリサイクル

ガラスびん

統一された規格のびん(びんビール、一升びん等)や流通量が多く回収システムが確立されているびん(コカ・コーラ、牛乳びん等)では、その多くが「リターナブルびん」としてリユース(再利用)されています。

リターナブルびんは、回収されるとキズや割れを確認し、洗浄され、中身を再充填して再び商品として流通されます。

一方、使い捨てとなる「ワンウェイびん」やリターナブルびんでもキズや割れがあってリユースできないびんについては、透明、茶色、緑色等に色分けし、それぞれの色ごとにカレット化(破砕したもの)し、製びん工場で再びびん或いは建築用断熱材(グラスウール)、歩道用のタイル等に生まれ変わります。

ガラス製品

ガラスびん同様のリサイクルをしていますが、材質の違い等があり、いろいろと混ざっている場合は破砕して埋め立て処分されることが多いのが現状です。

同じように見えるガラスですが、材質が違うとその後の再生品の強度や透過性等に影響が出てしまうため、混ざっているものはリサイクルがし難いので、飲料用のびんとガラス製品とは分けて頂けるとリサイクル率が上がります。

陶磁器くず

そのほとんどが破砕して埋め立て処分されています。一部製陶業が盛んな地域(瀬戸、有田、美濃等)では、焼成中に割れてしまったものや出来の悪かったものを粉砕して再度原料として使用しています。

ちなみに、陶器と磁器の違いをご存じですか?同じように見えますが、陶器は主に粘土を焼いたもので厚手で光を通さないのに対し、磁器は主にガラスに粘土を混ぜて焼いたものなので薄手で光を通します。また、陶器は素材に空気が含まれているため断熱効果があり、湯飲み茶碗はそのまま手で持てますが、磁器は空気の含有量が少ないので熱伝導率が高く、手で持つことが難しいのでティーカップ等には「取っ手」が付いています。日本古来の食器は陶器が多かったため取っ手の付いているものが少なく、逆にヨーロッパでは磁器が多かったため取っ手が付いているものが多いのです。

コンクリート

昔は埋め立て処分でしたが、最近は地球環境保全の意識や埋め立て処分地の問題もあってほとんどがリサイクルされるようになりました。主なリサイクル方法としては、破砕して再生砕石(小石の代替品)や再生砂となり、地下路盤材(道路や建築物の)として再利用されています。

 

紙くず(特定の事業活動に伴うもの)

通常の可燃ごみと思う方もいらっしゃるでしょうが、廃棄物処理法 第2条第4項、政令第2条では「①建設業に係るもの(工作物の新築、改装又は除去に伴って生じたものに限る。)②パルプ製造業、紙製造業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業の係るもの③ポリ塩化ビフェニル(PCB)が塗布され、又は染み込んだもの」となっており、同じ紙でも排出される業種によって産業廃棄物の「紙くず」となりますが、オフィスビル、スーパーマーケット、飲食店等から排出される紙くずは、基本的には事業系一般廃棄物(可燃ごみ)扱いとなります。但し、リサイクル可能な紙くずはできる限りリサイクルをお願い致します。

「専ら物」としては、「空き缶」「空きビン」と同じです。

紙くずのリサイクル

①建設業に係るもの(工作物の新築、改装又は除去に伴って生じたものに限る。)
②パルプ製造業、紙製造業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業の係るもの

産業廃棄物とは言え基本的には「紙→紙」にリサイクルされます。
(弊社ブログの「古紙とは」参照。)
一部、「紙→紙」にできないものについては、RPF(固形燃料)化されています。
(弊社ブログの「RPFとは」参照。)

③ポリ塩化ビフェニルPCB)が塗布され、又は染み込んだものは、通常の産業廃棄物としてではなく、特別管理産業廃棄物として厳しく管理しながらの処分となります。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、猛毒のダイオキシン類の一種で溶け難く、沸点が高く、熱分解し難く、不燃性、電気絶縁性が高いため、トランスやコンデンサー等に使われていましたが、その毒性が知られる(日本では昭和4310月に発生した「カネミ油症事件」が有名。カネミ倉庫が製造した食用米ぬか油「カネミライスオイル」の脱臭工程として、加熱したPCBを循環させていたパイプに穴が開き、油に漏出。それを食べた人々に死者や健康被害が出ました。約14,000人が被害届を出し、うち約2,000人が認定されています。)と製造が中止され、使用の停止と処分されるまでの間の厳重な保管が義務付けられています。

PCBは1,100℃以上の高温で熱分解し、無害化するため専用施設で焼却処分されるか、化学的に分解する方法が取られています。

木くず(特定の事業活動に伴うもの)

木くずも「特定の事業活動に伴うもの」とされ。廃棄物処理法 第2条第4項、政令第2条では「①建設業に係るもの(工作物の新築、改装又は除去に伴って生じたものに限る。)②木材又は木製品製造業、家具製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業に係るもの③ポリ塩化ビフェニル(PCB)が染み込んだもの④物品賃貸業に係るもの(リース後の木製家具・器具類)⑤貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用した梱包用の木材を含む。)とされています。オフィスビル、スーパーマーケット、飲食店等から排出される木くずは、基本的には事業系一般廃棄物(可燃ごみ)扱いとなります。但し、搬入先の清掃工場の搬入規則で決められた長さ(50cm以下)、太さ(10cm以下)があり、これを超える木くずは特定の事業者のものでなくても産業廃棄物の木くずとして処理をしなくてはなりません。

木くずのリサイクル

木くずは、基本的に破砕処分(チップ化)され、金具等が除去されます。破砕されたものの状況により、熱利用や発電利用のサーマル用チップ、パーティクルボード等の建材や紙の原料等のマテリアル用チップ等に使用されます。一部は埋め立て処分される場合もありますが、木くずは再利用の選択肢が多いので、様々な用途に再利用されているのです。

ちなみに、「木材(木質)ペレット」をご存知でしょうか?このペレットの原料は、間伐材、製材工場から排出される樹皮、おが屑、端材を乾燥させて粉砕し、圧縮して直径68mm、長さ540mmに加工した固形燃料の一種です。

物を燃やすと二酸化炭素が排出されますが、この木材ペレットの場合は元々の木が成長する段階で吸収した分の二酸化炭素を放出しているという「カーボンニュートラル」の考え方により、二酸化炭素は「実質0」となります。

灯油に比べると発熱量が低く、焼却灰の始末が必要ですが、薪ストーブの燃料として海外では良く利用されています。日本国内でも一部使われており、エコとファッション性を求めるオシャレな方には人気を博しているそうです。

寒冷地の量販店や通販でも購入できるようですので、皆さんもいかがですか?

その前に、この木材ペレットが使えるストーブを買わなければなりませんが。(笑)