東京23区の事業系ごみ処理は、これまでの「出たごみを回収して処理する」考え方から、
「出す前に減らし、分け、資源化する」考え方へ進んでいます。
清掃工場で燃やすごみを減らすこと、資源化できるものを可燃ごみに混ぜないこと、
食品ロスやプラスチック類を見直すことは、今後さらに重要になります。
とはいえ、排出事業者にとって、ごみ処理は本業ではありません。
飲食店、オフィス、工場、店舗、管理会社の多くが、
- 「分別は大切だとわかっているが、現場で続かない」
- 「行政回収と許可業者の使い分けがわからない」
- 「急な廃棄物をどうしたらよいか困る」と感じています。
この記事では、東京23区の排出事業者が今から見直しておきたい、
実務ポイントを、5つの対策に分けて解説します。
事業系ごみは「出せば終わり」から「出す前に整える」時代へ
これまでのごみ処理は、増えるごみをいかに安定して回収し、処理するかが大きな課題でした。しかし今後は、単に処理能力を確保するだけでなく、燃やすごみそのものを減らし、資源化できるものを分けることが重視されます。
特に東京23区では、清掃工場の処理能力、施設の老朽化、処理費の上昇、資源循環への対応などを背景に、排出段階での分別と減量がより重要になります。
また、今後は廃棄物の処理処分手数料が大きく上昇する可能性があります。処理費が上がれば、可燃ごみに混ざっている資源物まで処理費の対象となり、排出事業者の負担増につながるおそれがあります。
さらに、事業系古紙については、清掃工場への搬入規制が検討されています。これまで可燃ごみとして出していた紙類でも、資源化できるものは分別し、古紙や資源物として適切なルートに乗せることが求められる可能性があります。

つまり、今後の事業系ごみ対策では、「出たごみをどう処理するか」だけでは不十分です。
- 「ごみとして出す前に、どれだけ減らせるか」
- 「古紙や段ボール、雑がみを可燃ごみに混ぜていないか」
- 「資源化できるものを適切な業者に相談できているか」
- 「現場で続けられる分別ルールになっているか」
この視点が、今後のごみ処理対策の基本になります。
処理費の上昇や事業系古紙の搬入規制に備えるためにも、今のうちから分別ルールを見直し、資源化や適正処理に対応できる許可業者へ相談しておくことが大切です。
対策1 可燃ごみに混ざる資源物を確認する
まず見直したいのは、可燃ごみの中に資源化できるものが混ざっていないかです。

事業系ごみで可燃ごみに混ざりやすい資源物には、次のようなものがあります。
- 段ボール
- 新聞、雑誌、コピー用紙
- 雑がみ
- 缶
- びん
- ペットボトル
- 一部のプラスチック類
- 梱包材
- 複合素材
特に少量排出事業者では、「量が少ないから」「置き場所がないから」「分け方がわからないから」という理由で、資源物が可燃ごみに混ざりやすくなります。
しかし、少量だからこそ、最初にルールを決めておくことが重要です。
たとえば、オフィスであればコピー用紙や雑がみ、飲食店であれば飲料容器、店舗であれば段ボールや梱包材が混ざりやすい品目です。
まずは1週間分の可燃ごみを確認し、「本当に燃やすしかないもの」と「資源化できるもの」を分けて見てみることが、改善の第一歩になります。
対策2 ごみ置き場・保管スペースを見直す
分別がうまくいかない原因は、従業員の意識だけではありません。
実際には、ごみ置き場や保管スペースの設計に問題があるケースも多くあります。
たとえば、次のような現場では分別が崩れやすくなります。

- 可燃ごみの容器しか置いていない
- 古紙や段ボールの一時保管場所がない
- 缶・びん・ペットボトルを分ける容器がない
- ごみ置き場が狭く、品目ごとに置けない
- 分別表示が日本語だけで、外国人スタッフに伝わりにくい
- 管理会社、テナント、清掃スタッフでルールが共有されていない
特に飲食店や小規模店舗では、ごみ置き場が狭く、営業中に分別する余裕がないこともあります。
この場合は、完璧な分別を最初から目指すよりも、
- 「段ボールだけは別にする」
- 「ペットボトルだけは袋を分ける」
- 「雑がみ用の箱を1つ置く」
分別ルールは、複雑すぎると続きません。
排出量、保管場所、回収頻度、スタッフの動線に合わせて、無理なく続けられる設計にすることが重要です。
対策3 飲食店・食品関連ごみは食品ロスと回収時間を見直す
飲食店や食品を扱う事業者では、生ごみ、食品残さ、容器包装、飲料容器
などが日常的に発生します。
この分野では、食品ロス削減と回収時間の見直しが大きなポイントになります。
飲食店から多い相談としては、次のようなものがあります。
- オープンに合わせて早く回収業者を見つけたい
- 行政回収の時間が合わなくなった
- 夜間や早朝に回収してほしい
- 生ごみの臭いや保管スペースに困っている
- 缶・びん・ペットボトルが可燃ごみに混ざってしまう
- 外国人スタッフに分別ルールが伝わりにくい
飲食店では、営業中の忙しさから、分別が後回しになりやすい傾向があります。
そのため、厨房、ホール、バックヤードで「誰が」「どこに」「何を」捨てるのかを明確にすることが重要です。
また、食品ロスを減らすことは、ごみ量の削減にもつながります。
仕入れ、仕込み、在庫管理、食べ残しの状況を見直すことで、処理費だけでなく、食材コストの改善にもつながる可能性があります。水分をしっかり切ることも重要な要素です。
対策4 紙類・プラスチック・複合素材の資源化を考える
今後、事業系ごみの中でも特に注目されるのが、古紙、段ボール、雑がみ、
プラスチック類、複合素材です。
紙類は、分ければ製紙原料としてリサイクルできるものがあります。
一方で、汚れた紙、においの強い紙、防水加工された紙、複合素材などは、通常の古紙回収に向かない場合もあります。
また、個別分別が難しいプラスチック類、紙類、複合素材などは、RPF固形燃料などの資源化ルートにつながる可能性があります。
飲料容器については、缶・びん・ペットボトルを分けることで、マテリアルリサイクルにつなげやすくなります。
大切なのは、「全部を同じ袋に入れる」のではなく、品目ごとに資源化の可能性を確認することです。
特にオフィス、店舗、工場、物流拠点では、日々同じ種類の廃棄物が継続的に出ることがあります。このような場合は、分別ルールを整えることで、資源化しやすくなる可能性があります。
対策5 行政回収・許可業者・スポット回収を使い分ける
少量の事業系ごみでは、区のルールに従って行政回収を利用している事業者もあります。
一方で、排出量が増えた場合、回収時間が合わない場合、品目が複雑な場合、産業廃棄物が発生する場合には、許可業者への相談が必要になることがあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 店舗を新規オープンする
- 行政回収の時間では営業に支障がある
- オフィス移転で一時的に廃棄物が出る
- 店舗改装で什器や備品を処分したい
- 定期回収は少量だが、スポットで産業廃棄物が出る
- 複数店舗の回収方法を見直したい
- 管理会社としてテナントごとのごみ処理を整理したい
産業廃棄物の収集運搬サービスを確認する
廃棄物スポット回収サービスを確認する

行政回収、許可業者の定期回収、スポット回収には、それぞれ役割があります。
重要なのは、自社の排出状況に合った方法を選ぶことです。
「少量だから今のままでよい」と考えるのではなく、
今後の分別強化や処理費上昇に備えて、行政回収と許可業者の使い分けを確認しておくことが大切です。
許可業者を選ぶときは「回収後の安心感」まで確認する

事業系ごみの回収では、単に「回収してくれるか」「料金が安いか」だけで業者を選ぶのは注意が必要です。本来であればリサイクルできる古紙、段ボール、雑がみ、缶・びん・ペットボトル、プラスチック類などが、分別や資源化の体制が不十分なまま可燃ごみに混ざってしまうケースもあります。
背景には、回収車両、人員、保管場所、選別設備、資源化ルートの不足など、業界全体の課題があります。
排出事業者から処理料金を受け取る以上、収集運搬業者には、廃棄物をただ運ぶだけでなく、可能な限り適正処理・資源化につなげる姿勢が求められます。
これからのごみ処理では、行政、排出事業者、処理業者が連携し、業界全体でリサイクルと環境配慮を進めていくことが重要です。
利根川産業では、東京23区での回収ルートを確保し、パッカー車をはじめとしたさまざまな車両を保有しています。排出量や品目、現場の保管スペース、回収頻度に合わせて、定期回収・スポット回収・品目別回収などを提案しやすい体制を整えています。
また、計量器付きパッカー車の配備により、排出量の把握や処理の透明性向上にも取り組んでいます。
ごみ処理を「回収して終わり」にせず、分別・計量・資源化まで含めて見直すことが、これからの排出事業者にとって大切な視点です。
ゴミ収集車の種類や役割については、別記事「ゴミ収集車の秘密」でも詳しく紹介しています。

排出事業者の本音は「ごみのことを手助けしてほしい」
多くの排出事業者にとって、ごみ処理は本業ではありません。
飲食店であれば、営業準備や仕込み、接客が優先です。オフィスであれば、総務や管理担当者が多くの業務を抱えながら、廃棄物の分別や回収手配まで対応しています。管理会社やチェーン店舗では、複数拠点のルール統一や、現場スタッフへの周知も課題になります。

排出事業者の本音としては、次のような悩みがあります。
- 分別ルールを現場に定着させたい
- 行政回収と許可業者の使い分けがわからない
- 産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違いが不安
- マニフェストや書類管理の手間を減らしたい
- 急な廃棄物にも対応してほしい
- 複数店舗のごみ処理をまとめて見直したい
- できれば一社にまとめて相談したい
だからこそ、これからの許可業者には、単なる「ごみ回収」だけでなく、排出事業者の手間を減らし、法令遵守と資源化を支えるパートナーとしての役割が求められます。
利根川産業では、収集運搬だけでなく、中間処分や資源化までを見据えた提案が可能です。どこに運ばれ、どのように処理されるのかが見えやすいため、排出事業者にとっても安心して相談しやすい体制です。
また、現場での挨拶や作業マナー、回収時の丁寧な対応も、店舗・オフィス・商業施設では重要なポイントです。
ごみ置き場や搬出場所は、近隣や来店客の目に触れることもあります。だからこそ、清潔感のある作業、スムーズな回収、現場に合わせた対応力が、日々の管理負担を減らします。
業種別に見直したいポイント

飲食店
飲食店では、生ごみ、食品ロス、飲料容器、段ボール、容器包装が主な見直し対象です。
特にオープン直後は、回収業者を急いで探すケースが多くあります。行政回収の時間が合わない場合や、臭い・保管スペースの問題がある場合は、許可業者への相談を早めに行うと安心です。
外国人スタッフがいる店舗では、分別表示をわかりやすくすることも重要です。
オフィス
オフィスでは、コピー用紙、雑がみ、段ボール、ペットボトル、缶、不要備品が発生しやすい品目です。
日常的な排出量は少なくても、移転、レイアウト変更、倉庫整理などでスポット的に産業廃棄物が出ることがあります。
定期回収とスポット回収を分けて考えることで、無理のない運用がしやすくなります。
管理会社・複数店舗
管理会社や複数店舗を運営する事業者では、拠点ごとにごみの出し方がばらつきやすくなります。
店舗ごとに回収業者、分別ルール、保管場所、回収時間が異なると、管理負担が増えます。
この場合は、複数店舗の回収方法を見直し、ルールを統一することで、現場の混乱や事務作業を減らせる可能性があります。
工場・物流拠点
工場や物流拠点では、梱包材、廃プラスチック、段ボール、木くず、金属くず、複合素材などが発生することがあります。
品目によって、事業系一般廃棄物ではなく産業廃棄物として扱う必要がある場合もあります。
マニフェスト管理や処分先の確認も含めて、適正処理の体制を整えることが重要です。

排出事業者が今から確認したいチェックリスト
今後のごみ処理に備えるため、まずは次の項目を確認してみてください。
- 可燃ごみに古紙、段ボール、雑がみが混ざっていないか
- 缶・びん・ペットボトルを分けられているか
- プラスチック類や複合素材の処理方法を確認しているか
- ごみ置き場に品目別の置き場所があるか
- 分別表示が現場スタッフに伝わる内容になっているか
- 外国人スタッフにも分別ルールが伝わっているか
- 行政回収で対応できる範囲を確認しているか
- 許可業者に相談すべき品目がないか
- スポット回収が必要になるタイミングを把握しているか
- マニフェストや契約書類の管理に不安がないか
- 回収後にどのように処理・資源化されるか確認しているか
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは、可燃ごみに混ざっている資源物を確認し、分けやすい品目から見直すことが現実的です。

まとめ 事業系ごみ対策は「分別」と「相談先選び」から始まる
事業系ごみの分別は、今後ますます「排出前の設計」が重要になります。
可燃ごみに混ざりやすい古紙、段ボール、雑がみ、缶・びん・ペットボトル、プラスチック類を見直すことで、処理費の抑制や資源化につながる可能性があります。
一方で、排出事業者にとって、ごみ処理は本業ではありません。分別ルール、保管場所、回収時間、マニフェスト、行政回収と許可業者の使い分けなど、現場だけで抱えるには負担が大きいのも事実です。
だからこそ、これからは「安く回収してくれる業者」ではなく、「適正処理・資源化・現場対応・書類管理まで相談できる業者」を選ぶことが大切です。
利根川産業では、東京23区での回収ルート、各種車両、計量器付きパッカー車、自社処理・資源化の体制を活かし、排出事業者のごみ処理を実務面からサポートしています。
東京23区で事業系ごみの定期回収、スポット回収、行政回収から許可業者への切り替え、分別・資源化の見直しをご検討の事業者様は、利根川産業へご相談ください。
品目・数量・写真・所在地が分かると、現在の排出状況に合わせた回収方法をご案内できます。

