ごみ収集車を磨いたら3つのことが達成できた
社会経済活動を営む上で、環境は考えなくてはならない重要な問題の1つです。
住みよい街を維持するために、みなさんの町にも「ごみ収集車」が毎日働いているかと思います。お散歩中の園児達からは「ごみ収集車だ!」と手を振ってもらえ働く車に乗っているヒーローみたいな気分になることもあります。
しかしながら、扱うものが「ごみ(廃棄物)」となるため、ごみ収集車を見かけるだけで「汚い・臭い」といった印象を持ち鼻をつままれたことも多くあります。
弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。
私たちはごみ収集車の「汚い・臭い」といった印象をどうにか変えることはできないだろうか?
そんな想いでいくつかのプロジェクトを立ち上げ、実行していきました。今回はその辺りのお話をしたいと思います。
他社との差別化
仕事で使用する車は「走る広告塔」や「会社の看板を背負っている」など耳にされた事があるかと思います。
廃棄物を運搬する場合は、各地方自治体の許可が必要であり、車両の色、社名、許可番号などを記載しなくてはなりません。当社が許可を保有する東京23区でも516業者の業者が存在しています。ましてや上記の車両ルールが存在しますので、同業他社との差別化は困難です。
まずは、会社のロゴを作成することからはじめました。
当社ロゴには“今ある地球を緑で囲み未来の地球をより良いものへ”といった意味を込められています。
早速作成したロゴを全車両に取り付けました。
当時ごみ収集車でロゴがある事は珍しく、車両に取り付けているものですから同業者の方からの視線を感じ、少し背筋がピンと伸びて運転していた事を今でも覚えています。
従業員の意識改革
ごみ収集車への「汚い・臭い」といったイメージはロゴを取り付けただけで無くなった訳ではありません。
では何故そのようなイメージが定着してしまうのか?
まず、「私たちが(汚い・臭いと思われている)と思い込んでいないか?ごみ収集作業員として誇りをもって働いているのかどうか?」勝手な思い込みで「こう思われているのだろう」という意識から目線が下がり、挨拶の声も元気がなくマイナスイメージを植え付けてしまうのではないかと考えました。
実際にそんな印象のドライバーがいたことも事実です。
まずは「お客様へは元気に挨拶を、車は綺麗に、自分の働いている仕事に誇りをもとう」
その心構えから正すことをはじました。そして車両をきれいにするために会社から洗車道具を個別に配布しWAXは半年に○○回以上行う様にと義務化を図りました。
しかしそれだけでは問題解決にはなりませんでした。
評価・表彰制度の導入
では本当に当社の車両は汚い・臭いのか?決してそんな事はありませんでした。弊社は「1人1車両1コース」といった内容で業務にあたっており、扱う荷物がごみ(廃棄物)であることから、悪臭防止、環境衛生の向上の観点から各ドライバーがしっかりと毎日洗車を行っています。そこをしっかりと第三者の目で確認、評価することを始めました。
評価するにあたり「綺麗さ」には個人ごとの差があり、それを統一するために各種基準表を作成しました。
どの部分はどのように手入れを行うべきか、どこまで綺麗にして保てば「汚い・臭い」とイメージを払拭できるか、いくつもの項目を洗い出し紙媒体でドライバーへ配布しチーム別の第三者による保守・洗車整備評価制度を導入・継続しました。
車両を綺麗に保つことで会社へのイメージ、業界へのイメージを変え尽力したドライバーには半年に1回優秀なドライバーは会社から表彰されます。金一封とステッカーが頂ける内容です。
もし弊社のごみ収集車を見かけることがあり写真のようなステッカーが貼られていれば、その車両は表彰された車両となります。
表彰された車両は驚くほど磨き上げられ「この車両より綺麗であれ」と分かり易く見本を示す事でドライバーの目標が明確になりました。目標が目の前にある事で合格ラインが定着し個々の認識の差はなくなったのことは言うまでもありません。
弊社のどの車両を見て頂いても「汚い・臭い」といった印象とは離れた場所にあるかと思います。
▼実際の表彰式の様子
https://www.tonegawa-s.co.jp/sys/blog/inhouse/3004.html
結果・これから
今ではお客様から「いつ見ても車綺麗だね」というお言葉を頂戴しています。
中でも印象に残ったのは他業者様から
この言葉を頂いた時、マスクでは隠せないほどの笑顔だったに違いありません。
「見てくれているんだなぁ」とやってきたことが無駄では無かった事そして「常に見られている」という認識を持ち続ける大切さを改めて実感しました。
また、車両を綺麗に保つことで相乗効果でしょうか良い方向へ舵がとれたのも事実です。
まず事故が減りました。
綺麗に車両を手入れする事で傷付けたくない。汚したくない意識でしょう危険運転に繋がるような荒い運転も皆無、燃費も良くなります。
1人1人が自信を持っています。
ここまで徹底し綺麗にしている車両でお客様の所へ向かいますので「汚い・臭い」などの印象を持たれるはずがないと自信があり、挨拶もしっかりと行うことができます。
手前みそになりますが都内ごみ収集運搬業で車の綺麗さはNO1かと思っています。
今回紹介させて頂いた内容はほんの一部であり実際にはオゾン水、洗浄機の導入など多くの事に取り組んできました。
弊社のごみ収集車に対する印象払拭への道は半ばと言っても過言ではありません。
心強い事にドライバーは、管理層から言われることなく自分たちから実行に移しています。「○○社製のWAXいいよ」や「△△社製のタイヤ洗剤いいよ」などの内容を社内グループウェアを通じて情報発信を行ってくれています。
そういったコミュニケーションが弊社の強みであり今後ごみ収集車へのイメージ・業界を変える大きな力になるかと思います。弊社ドライバーは車両維持整備を通じて、安全で環境にやさしい運転で、お客様の荷物をたいせつに収集運搬し、持続的可能な地域社会への貢献を行っていきたいと思っております。
東京一綺麗といっても過言ではない、廃棄物収集車での廃棄物収集を依頼してみませんか?
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監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。