産廃情報ネット
2023.09.01 業界情報

プラスチックリサイクルの3つの種類は?企業の取り組み例もわかりやすく解説

プラスチックリサイクルの3つの種類は?企業の取り組み例もわかりやすく解説

「プラスチックリサイクル種類って何がある?」
「プラスチックリサイクルに問題点はない?」

プラスチックリサイクルについて上記のような疑問を感じたことはありませんでしょうか。

結論、プラスチックリサイクルは3種類存在します。日本ではそのうちの1つが活発である反面、残り2つのプラスチックリサイクルの割合を増やすことが課題です。

本記事では、プラスチックリサイクルの3種類やプラスチックリサイクル率の現状、日本におけるプラスチックリサイクルの3つの課題を紹介します。

プラスチックリサイクルの現状についてきちんと把握したい方は、ぜひ最後までお読みください。

プラスチックリサイクルの3つの種類

プラスチックリサイクルの3つの種類

本章では、プラスチックリサイクルの3種類について解説します。

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • サーマルリサイクル

各リサイクル方法の違いは

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルとは、廃プラスチックを種類ごとに分けて小さな粒子(ペレット)にすることで、新しいプラスチック製品の材料として再利用する方法を指します。

この方法の特徴は、プラスチックの中の結びつきが少しずつ悪くなることにより、再利用するたびにプラスチック同士の結合が弱くなることです。

しかし、マテリアルリサイクルでプラスチックを再利用すると、エネルギーを押さえられるので、エネルギーの効率がとてもいいと言われています。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルリサイクルとは、化学の力を使って、使用済みのプラスチックを新しい素材として使えるようにする方法を指します。

具体的には、プラスチックの中の結びつきを特定のものだけ切って、残った結びつきを使って新しいプラスチックを作ります。

マテリアルリサイクルよりも多くプラスチックを再利用できるため、これからの時代により適したリサイクル方法です。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルとは、使い終わったプラスチックを燃やして、エネルギーを作り出す方法を指します。

この方法のメリットは、コストが比較的少なく、エネルギーを手に入れられる点です。

一方、デメリットはCO2排出量が多いことです。プラスチックを燃やすと、中に含まれている炭素がCO2として空気中に出てしまうため、地球に悪影響を与えてしまう可能性があります。

プラスチックリサイクル率の現状|日本と世界で比較

プラスチックリサイクル率の現状|日本と世界で比較

本章では、プラスチックリサイクル率の現状を日本と世界で比較します。

  • 日本の場合
  • 世界の場合

それぞれの現状を数値ベースで確認しましょう。

日本の場合

日本はプラスチックリサイクルにおいて、独自の取り組みを行っています。2019年のデータによれば、日本のプラスチック有効利用率は85%となっています。

上記の有効利用率の内訳は、マテリアルリサイクルが22%、ケミカルリサイクルが3%、そしてサーマルリサイクルが60%です。

また、有効利用率は、年々上昇しているとのことです。

しかし、この数字を単純に見るだけでは、真のリサイクルの現状を把握するのは難しいです。

たとえば、ヨーロッパのリサイクル率の計算方法と日本のそれは異なります。ヨーロッパでは、サーマルリサイクルはリサイクル率に含まれていません。

この点を考慮すると、日本のサーマルリサイクルを除いたリサイクル率は19.9%と、かなり低い水準にあることがわかります。

この背景には、日本がヨーロッパに比べてごみ焼却処理率が高いという事実があります。

参考:一般社団法人 プラスチック循環利用協会『26 プラスチックの3つのリサイクル』

世界の場合

世界各国では、プラスチックリサイクルに対する取り組みが進められています。特にヨーロッパの国々は、プラスチックリサイクルの先進地として知られています。

2020年のデータに基づくと、ヨーロッパでのプラスチックリサイクル率のトップはオランダとノルウェーで、それぞれ約45%です。

しかし、この数字を理解するためには、リサイクル率の計算方法についての知識が必要です。ヨーロッパでは、サーマルリサイクル(プラスチックを燃やしてエネルギーを取り出す方法)はリサイクル率に含めていません。

参考:環境省『一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について』2023年3月30日

日本におけるプラスチックリサイクルの3つの課題

日本におけるプラスチックリサイクルの3つの課題

本章では、日本におけるプラスチックリサイクルの課題を3つ紹介します。

  • マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの割合
  • プラスチックの国内循環
  • 海洋汚染

課題を把握して、リサイクルへのアプローチの仕方を学びましょう。

マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの割合

日本のプラスチックリサイクルの取り組みには、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルがあります。

しかし日本では、高い割合でゴミを焼却しており、多くの廃プラスチックがサーマルリサイクルで取り扱われています。

国際基準のリサイクルの割合を目指すためには、サーマルリサイクル以外の方法での処理を拡大する必要があるのです。

プラスチックの国内循環

日本はかつてプラスチックの輸出で世界3位の地位を誇っていましたが、国際的な輸出規制の変化により、その立場は大きく揺らいでいます。

2021年のバーゼル条約の改正は、廃プラスチックの輸出に輸入国の事前同意が必要となるという新しいルールをもたらしました。

日本は以前、中国を中心にプラスチックを輸出していましたが、中国の輸入禁止政策やほかのアジア諸国の輸入規制の強化により、輸出先が限られるようになってきました。

このような背景から、日本国内でのプラスチックの循環が今後のキーポイントとなり、資源循環の新しい方法に取り組むことが求められています。

出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)『行き場を失う日本の廃プラスチック』(2019/1/10)

海洋汚染

海洋汚染は、近年の環境問題の中でも特に注目されている課題の一つです。特に、プラスチックに関連する海洋汚染は深刻な問題となっています。

マイクロプラスチックを海洋生物が食べてしまうと、体内に蓄積されることがあります。これが食物連鎖を通じて人間にも影響を及ぼしかねません。

また、不適切な廃棄やリサイクルの不足により、多くのプラスチックが自然環境、特に海に流出しており、海洋生物の生息環境を悪化させる原因となっています。

日本は、多くのプラスチック製品を消費する国として、海洋汚染の問題に対して大きな役割を持っています。適切なリサイクルや廃棄方法の普及、そして消費者の意識向上が必要です。

企業のプラスチックリサイクルの取り組み例

企業のプラスチックリサイクルの取り組み例

本章では、企業のプラスチックリサイクルの取り組み例を3つ紹介します。

  • コカ・コーラ
  • ミズノ
  • アディダス

各企業は、それぞれプラスチックリサイクルを推進する独自の取り組みを行っています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

コカ・コーラ

コカ・コーラは、使い捨てのペットボトルの再利用を強化しており、一部の製品には100%リサイクルペットボトルを使用しています。

さらに、消費者にペットボトルの正しい分別やリサイクルの大切さを伝えるための啓発活動も行っています。

そして、未来の環境を考え、持続可能な包装材料の開発や、包装のリデザインにも取り組んでいます。

ミズノ

ミズノが開発した人工芝「MS Craftシリーズ」は、マイクロプラスチックの流出を抑制するための特別な技術が取り入れられています。この人工芝の特徴は、パイル(人工芝の繊維部分)に「特種捲縮(けんしゅく)」という技術を施している点です。

この技術のおかげで、重鎮材(人工芝の下敷きとして使用される材料)の飛散が抑制され、衣服にも付着しにくくなっています。結果として、グラウンド外へのマイクロプラスチックの流出が大幅に軽減されています。

アディダス

アディダスは、スポーツウェアブランドとしての地位を活かし、環境問題に真摯に取り組んでいます。特に注目すべきは、海洋で発見されるプラスチック廃棄物を活用して新しいスポーツウェアやシューズを製造する取り組みです。

このアプローチは、海洋プラスチック問題の解決に向けた一歩として、また新しいリサイクル技術の普及を促すためのものとして評価されています。

さらに、アディダスはリサイクルプラスチックを使用した製品の選択肢を増やすことで、消費者に環境に優しい選択を促しています。

まとめ

まとめ

本記事では、プラスチックリサイクルの3種類やプラスチックリサイクル率の現状、日本におけるプラスチックリサイクルの3つの課題を紹介しました。

結論、日本ではプラスチックリサイクルの中でもサーマルリサイクルが伸びています。一方、マテリアルリサイクル・ケミカルサイクルの割合を増やすことが今後の課題です。

利根川産業では、RPF製造設備があるため廃棄物を燃料化しサーマルリサイクルに力を入れています。

プラスチックリサイクルに少しでも興味がある方は、下記のお問い合わせフォームから気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

利根川 靖

監修

利根川 靖

株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。

Web問い合わせ
Web問い合わせ
ページトップ