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2021.02.05 業界情報

日頃身近に接するプラスチック、基礎から学べる 発泡スチロールとは?

 

・廃棄物の収集運搬をやってるけど、発泡スチロールの処分に困ってるんだよね。

・家電製品を取り扱ってるけど、発泡スチロールってどこで処分すればいいのかな?

・発泡スチロールって何ごみ?プラスチックなの?

 

食卓に並ぶ生鮮食品、実は裏では発泡スチロールが活躍しているのはご存知でしょうか?発泡スチロールが発明されていなければ鮮度を保ち美味しい状態ではないかもしれません。

弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。

この記事に書かれている内容は以下の通りになります。

この記事を読むことで、発泡スチロールについてしっかりと学べ詳しくなることができまし、発泡スチロールをどこで処分すればいいのか、お困りの方も解決できます。
陰で活躍している発泡スチロール、みなさんが日頃手に取る食品トレーも発泡スチロールです。

最後までお読みいただき、歴史から製造、廃棄、リサイクルまでをご覧ください。

発泡スチロール歴史

軽量かつ安価で保温性、保冷性が高く、緩衝材としても便利で身近な発泡スチロールは、1950年にドイツで開発され、1959年には国産化が行われました。当初は、コルクの代用品として冷凍・冷蔵用の断熱素材として使用されていましたが、発泡スチロールの持つ優れた特性が評価され、生鮮食品の輸送用の箱家電やOA機器の緩衝材住宅建材等に幅広く使用されるようになりました。

発泡スチロールの素材とは?

発泡スチロールの素材は、石油から作られた「ポリスチレン」(PS)です。ポリスチレンは無味無臭で様々な成形方法に対応できるため、食品用の容器、CDケース、家電製品のボディ、自動車のランプレンズ等の多岐に渡って使用されています。

発泡スチロールとなるのは、ポリスチレンの小さな粒(原料ビーズ、直径0.32㎜程)で、この原料ビーズを製造する際に発泡剤(ブタン、ペンタン)を混ぜるのがポイントとなります。(CDケース等の硬質のものには発泡剤は入っていません。)

発泡剤を含んだ原料ビーズを金型に入れ、高温の蒸気を当てると発泡剤が膨らみながらビーズ同士がくっつき金型通りの形になり、皆さんが良くご存じの発泡スチロールの出来上がりとなる仕組みです。

時々、発泡スチロールの発泡を「発砲」と書いているのを見かけますが、これは間違いですのでご注意を。(笑)

発泡スチロールは約50倍に膨らませて作りますので、石油製品の原料ビーズは製品全体(体積)の2%、残りの98%は空気です。このため、省資源性に非常に優れた製品と言えます。
(硬めの「食品トレー」(PSP)は約10倍、10%の使用率です。)

なお、過去において「発泡スチロールを膨らませる発泡剤には、オゾン層を破壊するフロンが含まれている。」という噂がありましたが、発泡剤である「ブタン」や「ペンタン」は炭化水素系のものなのでフロンは一切含まれていません。

発泡スチロール3つの種類

一般的な発泡スチロールには、製法や用途の違いによって3種類に分類されます。

EPSExpanded Polystyrene(ビーズ法発泡スチロール)

一般に発泡スチロールと呼ばれている種類が、この方法で作られたものです。
表面に発泡ビーズの模様(不定形な蜂の巣状)があるのが特徴で、農水産物容器、家電・OA機器等の緩衝材、住宅の外壁用断熱材に使用されています。

PSPPolystyrene Paper(発泡スチレンシート)

発泡スチロールトレーと呼ばれ、主に食品容器として使用されています。
発泡率の低い(やや硬め)の発泡スチロールをシート状にし、型で抜いて作ります。

XPSExtruded Polystyrene(押出法発泡ポリスチレン)

押出機から押し出し成形された板状の発泡体で、住宅やマンション等の断熱材や畳の芯材として使用されています。
この製品には青や緑、オレンジ色の着色が施されているのが特徴です。

発泡スチロールの8つの特徴

発泡スチロール製品は、約98%が空気であるため非常に優れた「断熱性」「耐衝撃性」という特徴があります。加えて、軽量で、成型しやすく、安価なことから、私達の生活の中の幅広い分野で使用されています。

①断熱性

発泡スチロールは、発泡ビーズがくっつき合った形状のため、個々の「独立気泡」(空気を含んだ小部屋の集合体)により、熱の対流(熱伝播)が起こり難い構造が維持されて断熱効果が高いのです。
(一般的な発泡スチロールの耐熱温度は約80℃とされています。)

②耐衝撃性

発泡スチロールの独立気泡は、個々が「エアクッション」のような衝撃吸収力を持っているので、衝撃吸収性に優れており、家電製品や精密機器の梱包材や緩衝材として用いられています。
(密度20/㎥、50㎏の静的載荷で約4%。70㎏の静的載荷で約14%の圧縮クリープ)

③防水性・浸透性

前述のように、独立気泡の一つ一つがしっかりと融着しているので水を通さず、また水の浸み込むのを防いでいて、防水性・浸透性に優れています。

④軽量

発泡スチロールは、原料ビーズを約50倍に膨らませているため(体積の98%が空気)、非常に軽量です。

⑤成形の容易さ

金型に小さな原料ビーズを入れて高温の蒸気を当てるだけで製造できるので、様々な形のものが成形可能です。

⑥燃焼特性

発泡スチロールの主成分は炭素(C)と水素(H)なので、完全燃焼すれば炭酸ガス(CO2)と水(H2O)となり、ダイオキシン等の有毒ガスは発生しません。但し、他の素材と同様に燃焼に必要な酸素が不足して不完全燃焼になった場合には煤(スス/黒煙)や一酸化炭素が発生します。

 (燃焼性状:引火点345℃、発火点490℃、発生熱量9500kcal

⑦環境性能(EPS断熱建材)

マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルから外れてしまい埋め立て処分される場合、ESP断熱建材は2003年に施行された土壌汚染対策法で定めた「有害土壌汚染物質環境省基準」(対象物質:土壌汚染対策法に定める27物質、試験方法:有害土壌汚染物質の環境省基準における溶出試験)を満たすことが確認されています。

(個々の製品については各原料製造メーカーのホームページ等でご確認下さい。)

また、独立行政法人「新エネルギー・産業技術開発機構」(平成203月成果報告書)によると、札幌の戸建て住宅で30年間EPS断熱材を使用した場合と使用していないを比較したデータでは、エネルギー消費量で760,781MJ(灯油換算20,730ℓ相当=1年間で691ℓ=一般的な角形石油ストーブで2,588時間分=18時間使用で323.5日分に相当します。)の節約。CO2削減量で47.148t(ガソリン焼却時のCO2発生量換算20,322ℓ分相当=1年間で677ℓ=2,000ccクラスの乗用車のガソリンタンク55ℓ換算で12.3回の満タン分に相当します。)の削減となっています。ちなみに年間電気代では、約57,162円の削減となります。

⑧長期耐久性(EPS断熱材)

1957年から南極の昭和基地(無電棟/1次南極観測隊用の建物)で使用されていたEPS断熱パネルが40年経って(1997年)日本に戻ってきたことを受け、㈱竹中工務店(竹中技術研究所)と日本大学理工学部とが「長期耐久性」の様々な調査を行った結果、熱伝導率変化(JIS.A.1412:保温材の熱伝導率測定法の準じた方法で行われた。)はほとんど見られなかったとされています。

また、別の試験で「長期寸法収縮率」を測定したところ、製造から300日以上経過しても収縮率は0.4%以内に落ち着くとの結果が出ています。

発泡スチロール5つの用途

発泡スチロール協会(JEPSA)のデータによると、2019年の発泡スチロール出荷量は128,150t。
内訳
容器67,979t(53.0%)緩衝材・他38,052t(29.7%)建築・土木22,119t(17.3%)

①容器

発泡スチロール製の魚箱は、1966年頃から丸干しやアジの開き等の加工用のもの(高さの低い四角いお盆のようなタイプ)が使用されるようになり、1967年頃からやや高さのある鮮魚用の穴開きタイプ(底から壁への立ち上がり部分)も作られるようになりました。

従来、鮮魚には木箱が使用されていましたが、木材価格の高騰や流通手段の変化によって、発泡スチロール製の魚箱が用いられるようになったのです。

その後、現在皆さんが良く目にする蓋付きの魚箱が開発されると、氷や海水が入れられることによる保冷性(鮮度の保持)の特性の他にも丈夫で軽量、防水性の高さが発揮され、新鮮なまま消費者に届けられるようになったため、その需要は野菜や果物用の農産箱を巻き込んで爆発的に拡大し、国内市場の約50%強を占めるようになりました。

②緩衝材

元々、緩衝材は発泡スチロールの用途別国内需要でトップのシェアでした。ところが、オイルショック(1973年)以降、世界的な不況により出荷量が減ると、その後も他材料の梱包材の台頭や家電メーカーの海外生産体制等により苦戦を強いられています。ただ、近年の環境・エネルギー問題からエコキュートに代表されるエコロジー製品内部の部材や自動車の軽量化部品として使用されるようになり、需要は回復傾向にあります。

③建材

この分野の国内出荷量は十数%ですが、実は海外ではこの建材が発泡スチロールの用途としては一番使用されているのです。欧米では建材として古くから使用されており、フロン、ホルムアルデヒド、アスベスト等の環境に悪影響を及ぼす原料を含まず、数十年経っても性能に変化がないことが大きな理由です。

最近の日本国内でも住宅版エコポイント制度等により、EPS建材の需要が増えてきているようです。

④土木

1985年にノルウェーからEPSブロックを土木工事に使用する「EPS工法」が導入されて、着実に実績を伸ばしている分野です。

発泡スチロールの持つ軽量性、耐水性、耐圧縮性、強度性、形状加工の自由性を遺憾なく発揮し、軟弱地盤への盛土の土台や拡幅、擁護壁等に使用されていて、大型建設機械が使用・入れない場所での運搬・加工にも適しています。

⑤その他

「そう言えば。」という使われ方もたくさんあります。

工事現場やバイクのヘルメットの内装、抱き枕等の発泡ビーズクッションの中身、養殖生簀等のフロート・・・。最近では先進的農業方法としてビニールハウスや室内での水耕栽培用の育苗ベッドにも使用されています。

 

発泡スチロールのリサイクル

発泡スチロール協会(JEPSA)のデータによると、2019年の発泡スチロールの再生利用と処理・処分は、117,879t
このうちマテリアルリサイクル60,535t(51.4%)サーマルリサイクル(発電を伴う焼却/RPF等)が44,895t(38.1%)、埋め立て処分が6,475t(5.5%)、単純焼却が5,974t(5.1%)となっており、有効利用率は89.5%でした。

1991年の調査開始時のリサイクル率は、わずか12.6%でしたが、1998年には51.5%と半数以上がリサイクルされ、2007年には80.3%になり、2015年から2018年の4年間は90%を超えるリサイクル率となっていました。

さて、弊社では発泡スチロールのマテリアルリサイクルを中心に行っております。(一部、サーマルリサイクル:RPF

弊社でのマテリアルリサイクルは、

  1. ペレット化(溶融)

  2. インゴット化(圧縮固化)

2本立てとなっており、それぞれの発泡スチロールの状況によってペレット化とインゴット化に分けています。

発泡スチロールリサイクルの工程

     

①ペレット化

リサイクル用途:建築用断熱材など

魚箱用、農産箱のうち、白色のもの(海外製の硬質EPSを除く、弊社2020年データで約80%)のみをペレット化(ビーズ状のポリスチレン原料)しています。

①選別作業

計量後、発泡スチロールに貼られているガムテープ、紙、シール等を手作業で剥がします。この時、発泡スチロールを縛っていたビニール紐やビニール袋を取り除き、箱の内部に異物がないかの確認も行います。
※ビニール紐やビニール袋、剥がしたガムテープ等は、弊社のRPF(固形燃料)として、サーマルリサイクルを行っています。

②破砕工程

ガムテープ等が剥がされた発泡スチロールを破砕機に投入し、直径3cmほどに破砕して「溶融機」の一時貯蔵タンクへ送ります。(パイプでの空気輸送)

③圧縮溶融工程

一時貯蔵タンクから溶融機に入ると、電熱線の熱で「飴状」に溶かされ、異物を取り除くための目の細かいステンレス製メッシュの網を通しながら押出しスクリューによって直径3mmの穴から「茹でたスパゲッティ」のような状態で押し出します。

④冷却工程

「茹でたスパゲッティ」のような状態から、水槽を通し冷却すると「茹でる前のスパゲッティ」(乾麺)のような状態となり、これを細かくカットするとペレットの完成です。

⑤梱包工程

    

カットされたペレットは、振動振るい機にて選別され、パイプで空気輸送されフレコンバッグに詰められ、売却先へと出荷されて行きます。

②インゴット化

リサイクル用途:プラスチックの形成品、合成木材など

家電・OA機器の緩衝材、色付きの魚箱・農産箱と海外製の硬質の発泡スチロールは、インゴット化(薄い延べ板状)にしています。

①選別作業

計量後、発泡スチロールに貼られているガムテープ、紙、シール等を手作業で剥がします。この時、発泡スチロールを縛っていたビニール紐やビニール袋を取り除き、箱の内部に異物がないかの確認も行います。
※ビニール紐やビニール袋、剥がしたガムテープ等は、弊社のRPF(固形燃料)として、サーマルリサイクルを行っています。

②破砕工程

発泡スチロールを破砕機に投入し、直径3cmほどに破砕して「圧縮機」の一時貯蔵タンクへ送ります。(パイプでの空気輸送)

③圧縮固化

破砕機から一時貯蔵タンクを経て「圧縮固化機」に投入されると、スクリューで押し込みながら加熱(ペレット化より低温のためドロドロにまでは溶けません。)して延べ板上に成形します。

④断裁

指定した長さになると自動でカットされ、完成です。

⑤冷却工程

冷却を兼ねて、輸送用のパレットに乗せ、量が貯まれば売却先に出荷されます。

③固形燃料化

リサイクル用途:製紙会社の石炭の代わりの代替燃料

発泡トレー(PSP:発泡スチレンシート)のリサイクル弊社では、発泡トレーはRPF(固形燃料)化しています。

 (RPFの詳細はこちらご覧下さい。)

以前は、インゴット化をしていたのですが、スーパーマーケット等の店頭から回収されてくる発泡トレーの中には、発泡スチレンシート(PSP)ではないプラスチック製のトレー(PET素材)(主に透明な)や蓋等が多く混入しており、マテリアルリサイクルに必要な加工品の品質の保持が難しくなったためです。

異なるプラスチックの種類(ポリスチレン以外のポリスチレンやポリプロピレン等)、溶融温度の違い、色の違い等の問題からマテリアルリサイクルは不向きと判断し、サーマルリサイクルであるRPFに切り替えました。

このブログをご覧の皆様。もし、ご自宅からご近所のスーパーマーケットの店頭回収BOXに発泡トレーをお持ち込みの際は、透明なトレーや蓋は発泡スチレンシートではありませんので、ご注意下さい。

ちなみに、住宅等の断熱材に使用されているXPS(押出法発泡ポリスチレン)もRPF処理をしてサーマルリサイクルとなります。

【発泡スチロール処分工場見学】

このブログをご覧の産業廃棄物処理業者の皆様、弊社の発泡スチロール処分にご興味が御座いましたらお気軽に工場見学のお申込みをお願い致します。
もちろん、排出事業者様のご同伴も大歓迎です。

 

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