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2021.05.22 社員のつぶやき

(祝!)「SDGs」(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)のキックオフ

弊社もついに「SDGs」(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)のキックオフを致しました!(祝)

 SDGs20159月に開かれた国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

弊社でも社員がそれぞれ弊社の目標となる案を出し合い、弊社全体(収集・運搬部門、中間処理部門、事務所)の二酸化炭素の排出量

2020年度ベースで

2030年目標:二酸化炭素排出量 25%削減
2050年目標:二酸化炭素排出量 50%削減

ところがというか、実はというか、弊社は2020年度までに事務所や中間処理部門の照明機器のLED化や機械(特にモーター系)のインバーター制御機器の導入等を済ませており、また弊社の使用電力も通常の電力から一部「再生可能エネルギー」(太陽光発電や風力発電等)の電力に切替えましたので、これ以上の二酸化炭素の排出量を減らすことは並大抵のことではないのです。

しかし、それでも未来の地球のためには今から取り組まなければなりません。

今、弊社での二酸化炭素排出量の最大の発生源は「トラック」です。

202012月に東京都の小池知事は2030年までに都内で販売される新車(乗用車)すべてをハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)等の電動車に切り替える方針を示しましたが、これにはトラックは含まれていません。トラックに使用されているディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べて燃費が約15%、二酸化炭素の排出量が約17%程度良いとされていますが、それでも二酸化炭素の排出量は膨大なものとなります。そんなディーゼルエンジンに規制が掛からないのは何故か?

1.価格上昇 

理由は、まず、動力源となるリチウムイオン電池が高価であることからくる車両価格の上昇がネックになること。

事業では採算性が重要であり、新車購入時のコストアップは企業の競争力に多大な影響を与えます。加えて、トラックは長期間(最低でも10年以上)使用しますので、リチウムイオン電池の寿命が先に尽きることは明白であり、交換には莫大な費用が掛かってしまうことも覚悟しなければなりません。実際、弊社でも以前に「ハイブリッド」のトラックの購入を検討したことがありましたが、バッテリー(電池)交換の費用を見た際に通常のバッテリーの何倍もしてビックリした覚えがあります。

仮に、従来のトラックの購入・維持費用が30%UPした場合、廃棄物業者がそのコストを回収するには収集運搬費を上げざるを得ません。他社と比べて30%も高い業者が、いくら「SDGsをやっています!」と言っても仕事を頂けるでしょうか?

この理屈が、トラックにハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)がなかなか普及しない最大の理由なのです。

2.スペース 

次に、スペースの問題が挙げられます。大きなトラックなのだから、そんなことはないのではないかとお思いでしょうが、これは本当の話しなのです。

トラックの多くは前後のタイヤの間に、ある程度のスペース(左右、ガソリンタンクが設置してある辺り)がありますが、ここの部分は奥にシャーシ(車体のフレーム)があり、左右の幅があまりありません。また、前後方向は比較的あるように見えますが、タイヤ・サスペンション、スペアタイヤ置場、その他の整備スペースの確保のために空間が必要となりますので、意外に使える空間が少ないのです。

バッテリーは大きさに比例してパワーや走行距離が増減しますので、限られたスペースしかないとなると、重い貨物を積んで長距離を走らなければならないトラックにハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)等の電動車が殆ど見られないのも頷けますね。

他にも、燃料が無くなったらガソリンスタンドで数分で給油が完了し、次の仕事に行けるディーゼル車に対し、充電に数時間かかることによる稼働率の悪さ(乗用車タイプの一例。200V普通充電器の場合、走行距離80kmで約4時間・160kmで約7時間。急速充電器の場合、走行距離80kmで約15分・160kmで約30分だが、バッテリーに大きな負担がかかるので高価なバッテリーの寿命が短くなる。)や、充電スタンドの建設費等がネックになっています。

3.重量

もう一つ忘れてはならないこととして、バッテリーの重量の問題があります。ある自動車メーカーに問い合わせたところ、2tクラスの同一車種で比較した場合にディーゼル車とハイブリッド車では約400kgも重くなるとのこと。

10t超の大型トラックならまだしも、34tクラスのトラック(2t車より大型だとすると500kg位か?)で、積載量が2,500kg(塵芥車の場合。限定中型免許で車両総重量8tまで)だとすると2,000kgまでしか積めないことになります。積載量が20%も減るということは、単純計算で150店舗回収できていたコースが40店舗になり、今まで4人(4台)で回していた仕事が5人(5台)を要することですから、前述の購入・維持費で30%のコストアップと加味すると会社にとっては由々しき問題となります。

このように、既存のディーゼル車と比べ購入自体が高額で維持費もかかり、充分なコストパフォーマンスが得られない電動車が更なる技術革新等で身近な存在にならなければ、弊社としてもトラックから排出される二酸化炭素の削減に取り組めないのは歯痒い限りですが、それでも、デジタルタコグラフによる燃費の管理、回収ルートの効率化、エコドライブ講習会等によって可能な限りの二酸化炭素の排出量削減を目指しています。

 

もちろん、弊社の最大の目標は二酸化炭素の排出量の削減ですが、他にも取り組むべきSDGsの目標があります。

その一つが「海の豊かさを守ろう」と「陸の豊かさも守ろう」という目標です。

弊社の事業の柱(中間処理・リサイクル部門)である廃プラスチックや紙くずや木くずからの「RPF」(固形燃料=石油や石炭と比べて二酸化炭素の排出量が30%程度削減)の製造、発泡スチロールやPETボトルのリサイクルを通じて「マイクロプラスチック問題」にも取り組んでいます。

特に、本来はリサイクルができずに捨てられてしまうビニールやプラスチックを化石燃料系を使わざるを得ない施設・機器の代替燃料である固形燃料(RPF)として再利用し、「埋立て処分」を減らせれば陸の環境も保全が可能です。ビニールやプラスチックは現代の生活になくてはならない物質で、レジ袋のようにある程度削減はできるものの、ゼロにする訳にはいかない物です。そして、全てがマテリアルリサイクルとして再生できるものでもありません。

少し前までは、これらは殆どが埋立てられていたことを考えれば「結局、燃やすのか」と言われても、石油や石炭を燃やすことよりは幾分たりとも環境負荷を低減させられるのです。とは言え、リサイクルの一丁目一番地は「リデュース」です。

ビニールやプラスチックを使用しないことが最も大切なことには変わりはありません。本来であれば、弊社の固形燃料の施設が不要なくらいに廃棄物が出ない、或いはマテリアルリサイクルができるような商品や素材の開発がSDGsの推進には必要不可欠だと思います。これには、メーカーの努力だけでなく消費者である私達の「声」も大切なのではないでしょうか。

RPFに関する詳しい情報はこちらのブログをご覧ください。

「廃プラスチックリサイクル問題を解決する、廃棄物固形燃料RPFとは?」

廃プラスチックリサイクル問題を 解決する、廃棄物固形燃料RPFとは?

他の取組みとして「水」の問題もあります。

PETボトルのリサイクルには洗浄のために大量の水を使用します。弊社では今まで「かけ流し方法」を行っていましたが、現在、使用する水の約半分の量を再利用(循環型)する計画を立てています。一説によると、地球上には約1,400,000億㎥の水(海水、川、湖、氷河、地下水、水蒸気等)があると言われています。このうち、海水が97.5%。淡水と呼べる2.5%の水も約70%が北極や南極等の氷や雪、残りの半分が地下800m以上の地下水等々で利用ができず、人類が使えるのは地球全体の水の0.02%程だそうです。

日本は世界的に見ても水が豊富なイメージがありましたが、今回のSDGsのキックオフに際して勉強していると「自分達(日本)さえ良ければ」という発想を止めなければならないことに改めて気付かされます。SDGsのゴールの一つ「安全な水とトイレを世界中に」があり、私の聞いているラジオでも「命の水。だけど命懸けの水。」とCMをしているくらいに、世界の一部では飲み水の確保すら儘ならないことは知っていましたが、どこか他人事としか思えませんでした。

弊社のPETボトルリサイクルに使っていた水を節約したところで、その人々を救える訳ではなくとも、こういったことを見直すことが将来まで地球を長持ちさせる取り組みであると思います。もちろん、再利用(循環型)の設備にもお金は掛かります。

それでも、今から「やれるところからやらないと」の思いで取り組むことが孫子への責務と考えます。

 

ちょっと脱線

先日、発注していたSDGsのピンバッジ(ドーナツ型の色とりどりの物)が届きました。25mmの物と22mmの物がありましたが、私は22mmの物を購入しました。殆どの皆さんが25mmの物のようですが、私は大きいのは何となく照れくさいのと、さり気なくSDGsをしている感の方がカッコいいのではないかと思ったからです。(笑)早速、スーツに付けましたが控え目で思いの外「いい感じ」です。

また、このピンバッジは25mmの物は人気があって納期が掛かりますが、22mmの物はすぐに届くのではないかとのことでした。根拠も確認もできていない「噂」かも知れませんが、私個人的には22mm派が増えてくれないかなぁ~と秘かに期待をしています。実は、「偽物」も多いようですので、ご購入の際には充分なご注意を。

ちなみに、このSDGsのドーナツ型のマークですが、初めて見た時にアーティストである村上隆氏がデザインしたMXテレビのマスコットキャラクター「ゆめらいおん」に似ていて笑えました。

今回のSDGsで正式な目標になりませんでしたが、意外に多かった意見は「ジェンダー平等を実現しよう」でした。

弊社は小さな会社なので、いわゆる「上司」の数がそもそも少ないので女性がどうのということはありませんが、社員達からの個人的目標として「家事を手伝う」が多かったのにはビックリしました。(かく言う私もその一人です。)弊社でも、工場では女性が殆どです。彼女達は仕事が終わると買い物をして家に帰り、夕食の準備をしています。

毎日毎日、評価のされにくい家事と仕事をこなしていることの大変さを、同じ職場内で見ていた男性社員がSDGsの件で「家事を手伝う」と書いたことは、SDGs本来の目標ではないにしろとても大切なことではないかと思います。相手の立場を理解することから、人は思いやりを持ち、共存の道を模索することの典型的な一例を見た気がします。

それにしてもですが、女性達は明るくパワフルです。今の世の中、男性優位と言われていますが、彼女達を見ていると「男がいくら偉そうにしていても・・・。」と思いますし、世界中の指導者が女性であれば、この地球から戦争や紛争が無くなるのではないかとも思ってしまいます。過日、元首相の「M」氏が「女性の会議は時間が掛かる。」といって大きな波紋を呼びました。私も女性の営業や経営者と仕事をさせて頂くことが多くありますが、決して時間が掛かるとは思いません。むしろ、簡潔明瞭で理論的な仕事の進め方をしてくれますので、仕事が早く終わるくらいです。

もし、時間が掛かるとすれば、それは納得の行くまで協議するということで、日本の社会にはびこる「忖度」と言った曖昧で後でトラブルの元になるようなことはしないのがその理由だと思います。

ごみゼロ

今回のSDGsだけでなく、あらゆる環境問題の解決策が遅々として進まないのは、技術的な壁もありますが、その多くは「採算が取れるかどうか」が壁になっていることの方が多いような気がします。この「採算が取れる」とは、地球環境に資するために高額な機材・機器を使用することに対する「費用の増加」を依頼主・消費者が支払うことを承諾できるかどうかにかかってきます。

前述のトラックの話しに戻りますが、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)等の電動車は間違いなく存在しています。それを運送業者や我々のような廃棄物業者が使用し、会社を継続させるための費用は依頼主が。その依頼主の経費を賄うのが、その店舗で買い物をする消費者(私も含めた皆様)という図式です。誰でも安く買えるのは嬉しいことですが、地球環境のために掛かる費用を全員で負担することが、大切な地球と未来の子供達のためだということをご理解頂ければ幸いです。

「環境のために敢えて高い買い物をする」人になってみたいものです。

難しい問題ですが頑張ります。