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最終更新日:2026.07.16 法令情報

排出事業者責任とは?廃棄物処理を委託する企業が確認すべき7つのポイント

廃棄物の回収を専門業者へ依頼したら、その後の処理もすべて
業者の責任になると思っていませんか?
事業活動によって廃棄物を出した企業には、廃棄物を適正に処理する責任があります。
これを「排出事業者責任」といいます。
特に注意したいのは、廃棄物処理業者へ委託しても、
排出事業者の責任はなくならない
という点です。

この記事では、排出事業者責任の基本と、
企業の廃棄物担当者が実務で確認すべき7つのポイントを分かりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 廃棄物処理を業者へ委託しても、排出事業者の責任は残る
  • 廃棄物の区分、委託先の許可、契約書、マニフェストなどの確認が必要
  • 「いつもの業者だから」と任せきりにせず、処理の流れを把握することが大切

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第3条第1項において、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とされており、また、同法第11条第1項において、「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」とされています。

排出事業者責任とは

排出事業者責任とは、
事業活動に伴って生じた廃棄物を、排出した事業者が自らの責任で適正に処理することです。

廃棄物処理法第3条第1項では、事業者は、事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないと定められています。

また、産業廃棄物については、処理業者へ委託した場合でも、最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるよう、必要な措置を講ずることが求められています。

つまり、廃棄物を回収業者へ引き渡した時点で、排出した企業の責任が終わるわけではありません。

環境省も、委託先で不適正処理が行われた場合には、排出事業者が措置命令の対象となる可能性や、社名公表などによって社会的評価を損なうリスクがあると注意を促しています。

参考:環境省「排出事業者責任の徹底について」

排出事業者とは誰を指すのか

基本的には、事業活動によって廃棄物を発生させた事業者が排出事業者です。

対象となるのは、製造工場だけではありません。飲食店、スーパー、ホテル、オフィス、物流倉庫、クリニックなど、あらゆる事業活動から廃棄物が発生します。

例えば、次のようなものです。

  • 飲食店やスーパーから出る生ごみ、容器、段ボール
  • オフィスから出る書類、什器、パソコン、電池
  • 物流倉庫から出る梱包材、パレット、廃プラスチック
  • 工場から出る加工くず、廃油、汚泥
  • クリニックから出る感染性廃棄物や使用済みの医療器具

なお、建設工事では原則として元請業者が排出事業者となるなど、業種や契約関係によって判断に注意が必要な場合があります。

自社が排出事業者に当たるか分からない場合は、自治体や廃棄物処理の専門業者へ確認しましょう。

廃棄物処理を委託しても責任が残る理由

排出事業者が、自社ですべての廃棄物を処理するのは現実的ではありません。そのため、多くの企業は、許可を持つ収集運搬業者や処分業者へ処理を委託しています。

委託すること自体は認められていますが、
「業者へ渡したので、後は知らない」という運用はできません。

排出事業者は、廃棄物が発生してから最終処分が終了するまでの流れを意識し、
次の管理を適切に行う必要があります。

重要なのは、「回収してもらったか」だけでなく、「適正に処理されたか」まで確認することです。

排出事業者が確認すべき7つのポイント

1.廃棄物の種類と区分を正しく確認する

最初に確認したいのが、自社から出る廃棄物が「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」のどちらに該当するかという点です。

見た目が同じ廃棄物でも、排出した業種や発生した工程によって区分が変わることがあります。

例えば、食品製造業の製造工程から出る食品くずは、産業廃棄物の「動植物性残さ」に該当します。

一方、飲食店の調理や食べ残しから出る生ごみは、一般的には事業系一般廃棄物として扱われます。
紙くず、木くず、繊維くずなども、特定の業種や工程から発生した場合には産業廃棄物となります。

区分を誤ると、必要な許可を持たない業者へ委託してしまう可能性があります。廃棄物の名称だけで判断せず、どの事業・どの工程から発生したのかまで確認することが大切です。

2.委託先の許可内容を確認する

産業廃棄物の処理を委託する場合は、委託先が必要な許可を持っているか確認します。

許可証があることだけでなく、次の内容まで確認しましょう。

  • 許可の有効期限が切れていないか
  • 委託する廃棄物の品目が許可範囲に含まれているか
  • 収集運搬する地域に対応する許可があるか
  • 処分方法と処分先が委託内容に合っているか

「産業廃棄物の許可を持っている会社だから、何でも任せられる」とは限りません。

許可には、地域、廃棄物の品目、事業の区分などの範囲があります。

事業系一般廃棄物についても、自治体の許可を受けた業者へ委託する必要があります。東京23区内で回収を依頼する場合は、東京23区の一般廃棄物収集運搬業の許可を確認しましょう。

3.適切な委託契約書を作成する

産業廃棄物の処理を委託するときは、法令で定められた事項を記載した
書面による委託契約が必要です。

収集運搬と処分を別の業者へ委託する場合は、それぞれの業者と契約を締結します。
契約は、一度結んで終わりではありません。
次のような変化があった場合には、契約内容を確認しましょう。

  • 排出する廃棄物の種類が増えた
  • 排出量や荷姿が大きく変わった
  • 収集運搬先や処分先が変わった
  • 委託料金や契約期間が変わった
  • 委託先の許可が更新された

古い契約書のまま運用を続けると、実際の排出状況と契約内容が一致しなくなることがあります。

4.マニフェストを正しく運用する

マニフェスト(産業廃棄物管理票)は、委託した産業廃棄物がどのように運搬・処分されたかを確認するための仕組みです。

排出事業者は、マニフェストを交付するだけでなく、処理終了の報告内容や返送期限を確認し、適切に保存する必要があります。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 廃棄物の種類、数量、運搬先などが正しく記載されているか
  • 収集運搬、中間処理、最終処分の終了を確認しているか
  • 所定の期間内に報告がない場合、委託先へ状況を確認しているか
  • 紙または電子マニフェストを適切に保存・管理しているか

マニフェストが戻ってきたことだけで安心せず、
記載内容に不自然な点がないか確認することも重要です。

5.事業所内で適切に分別・保管する

処理業者へ引き渡す前の分別と保管も、排出事業者の重要な管理事項です。
特に注意したいのが、次のようなものの混入です。

  • リチウムイオン電池、モバイルバッテリー
  • スプレー缶、カセットボンベ
  • 蛍光灯や水銀を含む製品
  • ライター、花火などの発火性があるもの
  • 液体、薬品、廃油
  • 医療関係の感染性廃棄物

これらが通常の可燃ごみや不燃ごみに混ざると、収集車両や処理施設で火災、爆発、設備停止などの事故につながるおそれがあります。

現場任せにせず、分別表示、保管場所、管理担当者、異常時の連絡方法を社内で決めておきましょう。

6.委託後の処理状況を確認する

廃棄物を引き渡した後の処理状況も確認しましょう。
具体的には、次のような方法があります。

  • マニフェストで処理の終了を確認する
  • 委託先から処理の流れについて説明を受ける
  • 必要に応じて処理施設を確認する
  • 処理先や処理方法の変更について報告を受ける
  • リサイクル方法や最終処分先を確認する

処理施設を確認する場合は、敷地が整理されているかだけでなく、次の点も確認します。

  • 許可内容と実際の処理工程が合っているか
  • 廃棄物が過剰に保管されていないか
  • 安全管理や記録管理が行われているか
  • 処理工程について担当者が説明できるか

7.極端に安い料金や異常の兆候を見逃さない

価格は処理業者を選ぶうえで重要ですが、他社と比べて極端に安い場合には、その理由を確認する必要があります。

廃棄物の適正処理には、車両、人員、燃料、処理設備、安全管理、法令に基づく記録などの費用がかかります。
処理方法や処理先を説明できないまま、価格だけが大幅に安い場合には注意が必要です。
次のような兆候があれば、委託先へ確認しましょう。

  • 許可証や契約書の提示を避ける
  • マニフェストの記載や報告に遅れがある
  • 廃棄物の処理先を明確に説明しない
  • 急に回収方法や処理先が変わった
  • 回収できないはずのものまで「何でも回収できる」と説明する
  • 不自然に安い見積もりを提示する

実際に起きた食品廃棄物の不正転売事案

2016年、食品製造業者から処分を委託された食品廃棄物が、処分されずに食品として不正転売されていた事案が発覚しました。

この事案を受け、環境省は、排出事業者責任の徹底に向けた
通知やチェックリストの整備を進めています。

ここで重要なのは、「問題を起こした処理業者だけの責任」と考えないことです。

排出事業者にも、委託先の選定、適正な契約、マニフェストの運用、
処理状況の確認などが求められます。

大きな事件に限らず、許可範囲の誤認、契約内容の未更新、危険物の混入など、日常の管理不足から不適正処理につながる可能性があります。

不適正処理が起きた場合に考えられるリスク

不適正処理が発生した場合、排出事業者は状況に応じて、
次のような影響を受ける可能性があります。

  • 行政から報告や改善を求められる
  • 措置命令の対象となる
  • 撤去や原状回復などの費用負担が発生する
  • 違反内容に応じて刑事罰の対象となる
  • 社名公表や報道によって社会的信用が低下する
  • 取引先や顧客への説明対応が必要になる
  • 廃棄物の回収が止まり、店舗や事業所の運営に影響する

すべての不適正処理で、直ちに排出事業者が処分されるわけではありません。

ただし、「業者に任せていたので知らなかった」だけでは、
十分な管理をしていたことの説明にならない可能性があります。

信頼できる廃棄物処理業者を選ぶポイント

処理業者を選ぶときは、価格だけでなく、次の点を確認しましょう。

  1. 必要な許可と許可範囲を明確に説明できる
  2. 契約書とマニフェストを適切に管理している
  3. 処理先、処理方法、リサイクル方法を説明できる
  4. 廃棄物の種類に応じた分別方法を提案できる
  5. 事故や回収漏れなどの問題を速やかに報告する
  6. 見積内容と処理料金の根拠が分かりやすい
  7. 必要に応じて処理工程や施設の確認に対応できる

回収スタッフの挨拶、服装、車両の整備状況、問い合わせへの対応なども、会社の教育や現場管理の状態を見る参考になります。

ただし、これらだけで適正処理を判断せず、
まずは許可、契約書、マニフェスト、処理状況を確認してください。

排出事業者責任の簡易チェックリスト

自社の管理状況を確認してみましょう。

  • 自社から出る廃棄物の種類と区分を把握している
  • 委託先の許可証と有効期限を確認している
  • 委託する廃棄物が許可品目に含まれている
  • 現在の排出状況に合った委託契約書がある
  • マニフェストを適切に交付・確認・保存している
  • 最終処分が終了したことを確認している
  • 電池、スプレー缶、液体などの混入防止ルールがある
  • 廃棄物の種類や量が変わったとき、委託先へ伝えている
  • 処理先と処理方法について説明を受けている
  • 極端に安い料金や不自然な対応を放置していない
  • トラブル発生時の連絡先と社内担当者が決まっている

一つでも判断できない項目がある場合は、契約書や許可証などの書類と、実際の排出状況を一度照らし合わせることをおすすめします。

まとめ|委託して終わりにせず、確認できる状態をつくる

排出事業者責任で最も大切なのは、廃棄物処理を業者任せにせず、自社が出した廃棄物の処理の流れを把握することです。

企業の担当者が押さえるべき基本は、次の7つです。

  1. 廃棄物の種類と区分
  2. 委託先の許可内容
  3. 委託契約書
  4. マニフェスト
  5. 分別・保管方法
  6. 委託後の処理状況
  7. 処理料金と異常の兆候

すべての法律を担当者だけで理解し、処理方法を判断するのは簡単ではありません。

だからこそ、廃棄物の内容や処理の流れを分かりやすく説明し、状況に変化があったときに相談できる処理業者を選ぶことが重要です。

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  • 産業廃棄物と事業系一般廃棄物の区分に迷っている
  • 契約内容と実際に出ている廃棄物が一致しているか確認したい
  • 店舗や事業所が増え、廃棄物管理が複雑になっている
  • 現在の回収業者から処理方法について十分な説明がない

このようなお悩みがある場合は、現在の排出状況を確認したうえで、適切な回収・処理方法をご案内します。

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