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2021.04.16 業界情報

3Rスリーアール(Reduce-リデュース、Reuse-リユース、Recycle-リサイクル)とは

最近何かと話題になるサステナビリティ、(持続可能な)環境関連のキーワードです。昨年夏よりレジ袋が有料化となりましたが、今度はプラスチック製のスプーンやフォークなどが対象となっています。
また、大手飲料チェーン店などは、紙製のストロー、紙製のコップなどを商品化しており、環境に配慮した生活がより身近になってきています。

弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。

このブログを読み、3R(スリーアール)について今一度考えてみてはいかがでしょうか?

これをきっかけに少しでも我々廃棄物業界に興味を持っていただき、日々の中で環境負荷低減な活動を行っていただければと思います。

大量生産・大量消費の時代

18世紀後半にイギリスで始まった産業革命(Industrial Revolution)は、それまでの手工業生産から機械による工場生産、蒸気機関による生産・運搬手段の拡大、それらのエネルギーや材料となる石炭や鉄等の消費と言った、技術革新に伴う大量生産・大量消費社会の幕開けとなりました。

19世紀後半になってエネルギー源が石炭から石油・電気に代わると大量生産・大量消費に拍車がかかり、近年まで続くこととなります。それまで大量生産・大量消費の恩恵を受けていた人々でしたが、空気が汚れ、水は濁り、動植物が死滅し、自分達の健康にまで悪影響が出てくるようになると、さすがに地球の未来や環境破壊を懸念するようになりました。

ある試算によると、世界中の人々が今の日本人と同等の生活水準をするために必要とされる資源は、地球が2.8個分も必要だと言われています。このままでは近い将来に資源の枯渇は目に見えているので、私達の子孫のためにも資源を大切に使っていかなければなりません。

 

3RReduceReuseRecycle

3R

リデュース・リユース・リサイクル推進協議会(略称:3R推進協議会)のホームページによると、3Rとは以下のように記述されています。

1)リデュース(Reduce

製品を作る時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫等も取組みのひとつです。

2)リユース(Reuse

使用済み製品やその部品等を繰り返し使用すること。その実現を可能とする製品の提供、修理、診断技術の開発、リマニュファクチャリング等も取組みのひとつです。

3)リサイクル(Recycle

廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。その実現を可能とする製品設計、使用済み製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども取組みのひとつです。

3Rの具体例

(リデュース・リユース・リサイクル推進協議会ホームページより)

1)リデュース(Reduce

【消費者の視点】
・マイバッグを持って無駄な包装は断る
・詰め替え容器に入った製品や簡易包装の製品を選ぶ
・耐久消費財は手入れや修理をしながら長く大切に使う
・利用頻度の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する
・耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ
・使用頻度の少ないものをシェアする

【事業者の視点】
・製品を設計する時に、製品ができるだけ長く使えるように工夫をする(耐久性、修理性等)
・製品を設計する時に、製品ができるだけ少ない材料、部品等で構成されるように工夫する(省資源化)
・製品を作る時に、原材料を無駄なく効率的に使うように工夫する
・修理や点検等のアフターサービスを充実することにより、製品の長期使用促進に努める
・簡易梱包、簡易包装、詰め替え容器、通い箱等の利用、普及に努める
・機械器具等の手入れ方法や修理方法を工夫して長期使用に努める
・利用頻度の少ないものをシェアする仕組み、不用品を有効に活用する仕組みを作る
・耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ
・食品ロスを削除する仕組みを作る

2)リユース(Reuse

【消費者の視点】
・リターナブル容器に入った製品を選び、使い終わった時にはリユース回収に出す
・フリーマーケットやガレージセール等を開催し、不用品の再使用に努める

【事業者の視点】
・製品を設計する時に、本体や部品のリユースがしやすいように工夫をする
・使用済み製品を回収して本体や部品を再生し、再び新品同等の製品を作り出す
・使用済み製品、部品、容器を回収し、再使用する

3)リサイクル(Recycle

【消費者の視点】
・資源ごみの分別回収に協力する
・資源ごみの効率的な分別回収を広める
・リサイクル製品を積極的に利用する

【事業者の視点】
・製品を設計する時に、使用後のリサイクルがしやすいように工夫をする
・製品を作る時に、できるだけリサイクル原材料を使う
・使用済みとなった自社製品の回収・リサイクルに努める
・発生した副産物・使用済み製品を効率的にリサイクルする(仕組み作りを含む)

流行りを振り返ってみると

最近、「ミニマリスト」という言葉をよく聞きます。持ち物をできるだけ減らし、必要最低限の物だけで暮らす人のことを言います。テレビ等では部屋に布団以外の物が何もない生活をしている人もいるようですが、そこまで極端ではないにせよ余分な物を買わない、使わないことは3Rの理念に合致しています。「断捨離」(だんしゃり)とも近いかも知れません。

1950年代後半の日本では、「三種の神器」と言われた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫(それ以前は「電気炊飯器」や「掃除機」)、1960年代半ばの高度経済成長期では「新・三種の神器=3C」としてカラーテレビ、クーラー、カー(自動車)が飛ぶように売れ、その後の2000年代初頭には「デジタル・三種の神器」としてデジタルカメラ、DVDレコーダー、薄型テレビ。「キッチン・三種の神器」として食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、生ごみ処理機等の言葉が流行ることとなり、その他携帯電話(スマートフォンを含む)、電子レンジ、オーブントースター、パソコン、タブレット端末、各種ゲーム機器等も同時並行して普及して行きました。

また、ファッションや装飾品も同様に流行があり、1950年代は映画女優オードリーヘップバーンの圧倒的な人気を受けてサブリナパンツ、ラジオドラマ「君の名は」の主演女優・真知子が首に巻いていたショールが「真知子巻き」のアイテムとして流行り、1960年代は「ヒッピー」のフレアデニムとTシャツ、ビートルズの「モッズ」、「アイビールック」。1970年代はデニム、ダウンジャケット、スウェット、ミニスカート、ホットパンツ。1980年代は「DCブランド」、「ボディコン」、「アメカジ」、「渋カジ」、1990年代は「ストリートファッション」、「グランジファッション」、「コギャル」ブームで厚底ブーツとルーズソックス、「シャネラー」等々が流行りました。

時代の流行を振り返ってみると懐かしくもあり、微笑ましくもありますが、今になって思うと「随分と買い物をしてきた。」というのが本音です。また、確かに生活を豊かにしてきた物ばかりですが、本当に必要であったか?と考えると「流行り」だったり、「みんなと同じでないと気が済まない」だったりと、意外に曖昧な「感覚」で購入していたのではないでしょうか。

もちろん、このような消費行動が経済を回し、仕事や生活の励みになってきたことは紛れもない事実です。しかし、21世紀になった今、地球温暖化や環境破壊、途上国の飢餓や貧困のことを考えて行動しなければならなくなっています。

物を買うときは、「3R」の【視点】のことを思い出し、必要な物以外は買わない。買った物は大切に使い、使い終わったらしっかりリサイクルをすることを、これからの「流行り」にしなくてはなりません。

 

これからのお金の使い方

料金

大量生産の時代の常として、また昨今の働き方改革の影響により、壊れて修理が必要になった場合、修理代金が高額になり新しい物を買った方が得なのではないかと思う場面が多くなってくるでしょう。しかし、「3R」の観点から考えれば修理することをお勧めします。当然、壊れ具合にもよりますが、例えば洗濯機の場合では廃棄された洗濯機を「家電リサイクル法」によって1台丸々リサイクルすることよりも、壊れた部品だけを交換する方が廃棄物の量・リサイクルをするためにかかるエネルギーは圧倒的に少なくて済みます。

3R」では、優先順位が大切です。まずは「リデュース(Reduce)」=廃棄物を出さない、次に「リユース(Reuse)」=再利用する、そして最後が「リサイクル(Recycle)」ですから、修理もせずに壊れたからと言って洗濯機を買い替えるのは、この順序に逆行してしまいます。

但し、修理や新たに購入する時は、メーカーのカタログ等を良く見てCo2の排出量や電気の消費量等を考慮して下さい。古くて環境に優しくない物を無理に使い続けるのも逆効果になる可能性もあります。

ともあれ、私達は、つい「リサイクルしているから大丈夫」と考えがちですが、リサイクルは「最後の手段」ですので、その前の「リデュース」と「リユース」をもっともっと優先させて下さい。

余分な買い物をしないで貯めたお金は、廃棄物を出さない、或いはエネルギーを消費しないために使うことが「カッコイイ!」と思えるようになればいいですね。

 

3R」に隠されたメッセージ

皆さんは「カーボンフットプリント」(Carbon Footprintという言葉をお聞きになったことはありますか?直訳すると「炭素の足跡」。商品やサービスの原材料の調達から輸送、廃棄・リサイクルに至るまでの一連の流れ(ライフサイクル)を通して排出される温室効果ガスの排出量をCo2に換算したものです。

環境省のホームページに、アルミ缶入りのオレンジジュース1本分のCo2排出量の一例が掲載されています。

①みかんの栽培やアルミ缶の製造で排出されるCo218.5g
②ジュースを作る、パッケージング等で30.8g
③販売店への輸送や販売等で43.1g
④自宅で冷蔵庫に入れて冷やすと18.5g
⑤飲んだアルミ缶の回収・リサイクルで12.1gの合計123gCo2が排出されているのです。


(この「カーボンフットプリントプロダクツ」=CFPに賛同しているメーカーの商品には記載又は、メーカーのホームページに掲載されていますので、機会がありましたら探してみて下さい。)

Co2の削減は、今回の「3R」と直接関係がないような気がしますが、良く考えて下さい。例えば、あるメーカーの「スニーカー」では、1足分のカーボンフットプリントによるCo29.4㎏ですが、洗濯すればCo20.2㎏で済みます。特に必要でないスニーカーを買わなければ(リデュース)、9.4㎏のCo2の排出がなくて済むことと、廃棄物が出なくて済みます。買ったとしても洗濯して使い続ければ(リユース)Co20.2㎏(1回分)で済みます。

ここでも、「3R」の優先順位を考慮して頂ければ、地球温暖化や地球環境に不必要な負荷をかけずに済むのです。

また、私達日本人が手にする物品の約90%がトラック輸送だということをご存じでしょうか?国内はもちろん、海外から船や飛行機で輸入された物であっても、最終的にはトラックによって日本国中に運ばれているのです。

オレンジジュースのカーボンフットプリントでもお分かりだと思いますが、③販売店への輸送が最もCo2を発生させているので、なるべくなら「地産地消」=「地元の物」を利用することも大切です。

【カーボンフットプリントの一例】

・輸入したPETボトルの水      0.3
・ハンバーガー          6.0
・ラム肉(1㎏)          39.2
・牛肉(1㎏)           27.0
・チーズ(1㎏)          13.5㎏
・豚肉(1㎏)           12.1㎏
・鶏肉(1㎏)          6.9
・アボカド(1個)        0.4
・コットンTシャツ         15.0
・デニムパンツ          33.0
・旅客機(東京/NY往復)   1,400.0㎏(ビジネスクラスなら、4,000㎏)

 

その他にも「ウォーターフットプリント」と言われるものもあります。これは「カーボンフットプリント」と同様に、その製品を作るのに水をどれくらい使用したかを表示しています。

日本では、夏の水不足以外には水の大切さをあまり意識したことはありませんが、世界中で水不足は慢性化していて約7億人の人々が苦しみ、毎日5,000人弱の子供達が亡くなっているともいわれています。

地球上に存在する水のうち、人類が利用できる淡水は全体の約0.01%しかありません。(海水98%、淡水2%。この2%のほとんどが北極や南極の氷です。)小麦を1㎏生産するには1t以上の水が、牛肉を1㎏生産するには1.5t以上の水が必要とされていることを考えると、カーボンフットプリントと同じように注意することが大切です。「3R」の精神で、「無駄・不要な物は買わない。」を真っ先に実践しましょう。

3R」から考える私達の生活

私達は生きて行く上で、様々な物を直接消費しているだけでなく、それらを作る・運ぶ・捨てる段階においても水やエネルギーを消費し、Co2を出し続けています。どんなに頑張っても「0」にはできませんが、少しでも減らすことは可能です。そのポイントとして、今まで述べてきたように余分な物を買わず、買う際には長く使い続けられる物、容易に修理ができる物を選び、使い終わったらリサイクルをすることが何より求められていることです。

今は大丈夫かも知れませんが、2050年には世界の人口が90億人(現在70億人)になると予想されており、単純計算でも様々なものが約1.3倍となるのです。Co2の発生量が1.3倍、食料不足も水の使用量も1.3倍、廃棄物の量も、エネルギー使用量も・・・。

冒頭に「世界中の人々が今の日本人と同等の生活水準をするために必要とされる資源は、地球が2.8個分も必要」と言いましたが、2050年には「地球が3.6個分も必要」になることを忘れてはなりませんね。