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2021.02.04 業界情報

PETボトルリサイクル関する押さえるべき9つの基本について

PETボトルリサイクルに 関する押さえるべき9つの基本

・ペットボトルってリサイクルすると何になるのかな?

・ペットボトルって洗って、ラベルとキャップを外さないとだめなの?

・SDGsの一環で環境に寄与する行動をしたいんだけどな・・・。

毎日身近に接しているペットボトル。海に浮かペットボトルを連想し、プラスチックは悪のように感じるけど、本当にそうなのでしょうか?

弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。

この記事は下記のようなことが記載してあります。

この記事を読むことでPETボトルの特徴、リサイクルに関する基本事項を押さえ、明日以降環境にやさしい行動をしたくなるでしょう!

次の世代に向けて、環境と共存し自身も環境に貢献している活動をしていかなくてはいけませんね。

 

PETボトルとは?

ペットボトル

PETボトルの「PET」とは「ポリエチレンテレフタレート」と呼ばれ、石油から作られる樹脂の種類で、英語表記では「PORY ETHYLENE TEREPHTHALATE」となり、この頭文字を取って「PET」と言われています。

PETは、通常「ポリエステル」とも呼ばれていますので、皆様が着ているワイシャツやブラウスの繊維や食品包装フィルムと同じ素材ということになります。

つまり、PET樹脂を溶かして糸にしたものが繊維、薄く延ばしたものがフィルム、膨らませたものがPETボトルなのです。

PETボトル基本構造

特徴

①石油依存度が低い樹脂

PET樹脂は、主に炭素、酸素、水素で構成されており、約1/3が空気を原料とする酸素で占められているため、他のプラスチックと比較して石油依存度が低い樹脂です。

②水に沈む

他のプラスチックに比べ、炭素より比重の重い酸素が多く含まれているため、密度が水より重く沈みます。

③マテリアルリサイクル向き

PET樹脂は、酸素を多く含むので焼却時の発熱量が紙と同水準と低く、焼却炉を傷める心配がありませんので、焼却による熱エネルギー回収よりもマテリアルリサイクルに向いています。

④キャップ・ラベルは別素材

キャップと本体とは固着を防ぐため別素材のプラスチックが使用されますが、リサイクルをしやすくするため、水に沈む本体のPET樹脂(密度1.38g/㎤)に対して、キャップはポリプロピレンやポリエチレン(密度0.90~0.96g/㎤)と言った水に浮く素材にし、水を使用した比重分離が容易にできるよう、「自主設計ガイドライン」で定めています。

PETボトルの作り方

 

①プリフォーム作成

PET樹脂を溶かし、圧力をかけながら金型に流し込み、「プリフォーム」と呼ばれる試験管の形をしたPETボトルの原型を作ります。

②加熱処理

この「プリフォーム」を約100℃まで加熱します。

③成型作業

加熱した「プリフォーム」をボトル成型用の金型(左右合わせタイプ)の中に入れます。

④空気充填

「プリフォーム」の中に高圧の空気を入れて膨らませます。

⑤冷却作業

冷却が終わったら、ボトル成型用の金型を開いてでき上りです。

 

PETボトルの用途と種類

 

A 炭酸飲料用PETボトル

炭酸飲料から発生するガス圧によるボトルの変形を防止するようにデザインされています。見分けるポイントは、ボトルの底の形が「ペタロイド(花弁)型」をしています。

B 耐熱用PETボトル

お茶等の熱い液体を充填する際、ボトルネック(本体の口の部分)の変形を防止するようにデザインされています。見分けるポイントは、ボトルネック(本体の口の部分)が白くなっています。

C ホットドリンク対応PETボトル

ホット飲料の味や香りを損なわないようにボトルの内側に特殊な耐熱処理(結晶化加熱処理)等の工夫をしています。このタイプも耐熱用なので、ボトルネックが白くなっています。

D 一般的なPETボトル

上記のA、B、Cを除く非炭酸飲料、常温充填の用途に適しています。

ご注意を!!

PET樹脂は、約75℃で「ガラス転移点(Tg)」という樹脂の性質変化が起き、収縮する現象が見られます。

もし、使用済みのPETボトルを再利用して熱い液体を入れる場合には、耐熱用(HOT用を含む)のボトル=ボトルネックが白いものを利用しないとボトルが収縮して液体が溢れ、ヤケドをする可能性がありますのでご注意下さい。

また、同様にボトルの底が「凹型」の非炭酸系の一般的なPETボトルに炭酸飲料を入れると、強度不足で破裂する可能性がありますので、こちらも併せてご注意下さい。

PETボトルの特徴

特徴

リサイクルが容易で環境に優しい素材
②同じ容量のガラスビンと比較して約1/71/10の重さで済むため、軽い
加工しやすいのでサイズや形も豊富
④強くて丈夫なので、落としても割れにくい
透明で美しく、中身が一目で分かりやすい
何度でもキャップをすることができる
⑦食品衛生法に基づく規格に適合して衛生的

PETボトルの安全性

 

1)食品に接するPETボトルの安全性

食品の包装容器に使用されるプラスチック製品は、国で定めた規格と各業界団体で定めた規格に適合していなければなりません。

国で定めた規格とは、1982年に告示された食品衛生法の厚生省告示20号のことで、食品に接触する包装容器に使用されるプラスチック製品の規格です。

一方の業界団体で定めた規格とは、1973年に設立された樹脂メーカー、成形加工メーカー、添加剤メーカー、食品メーカー等の業界団体で作る「ポリオレフィン等衛生協議会」による自主規格のことで、アメリカ連邦食品医薬品局(FDA)規則やEU規則の規格に準拠している規格です。

当然のことながら、PETボトルはこれらの規格に適合しており、衛生試験確認証明書がなければ使用できないことになっています。

(2)焼却、有害物質に対する安全性

ごみ焼却施設においては、プラスチックの焼却時に発生する高温や塩素系の材料が焼却時に発生する塩素ガス・ダイオキシン類が焼却炉を傷めたり、環境問題になっていたりしています。
PET樹脂は燃焼カロリーが5,500kcal/kgと低く、燃焼カロリーが高いとされるポリオレフィン類(ポリエチレンやポリプロピレン)の約半分であり、PETを構成する元素は炭素(C)、酸素(H)、水素(H)だけでできているため、焼却しても水(H2O)と二酸化炭素(CO2)しか発生しないのでダイオキシン類の発生原因といわれる塩素(Cl)は含まれていません。

PETボトルのリサイクル

PETボトルは、紙と並んでリサイクルしやすい素材として知られており、一般的に①繊維やフィルム等へのリサイクル②ボトルtoボトル(BtoB)リサイクルが二大主流と言われています。

①繊維、フィルム等へのリサイクル

 

回収されたPETボトルから、キャップとラベルを除去し、洗浄・破砕してフレーク状にした後、熱加工により粒子状化(ペレット化)します。

この時点で「ポリエステル顆粒」となりますので、用途に合わせて溶かし、繊維やフィルムに加工されて再商品化されます。

②ボトルtoボトルリサイクル

 

一度使用したPETボトルを再度使用するには衛生面のハードルが高かったのですが、日本国内では2つのリサイクル方法が内閣府の食品安全委員会で承認されています。

 Aケミカルリサイクル(化学的再生法)

洗浄・破砕後に「解重合」(物体は分子が「重合」したものであり、これを分子レベルまでバラバラにすること)し、再度「重合」させることによってバージンと同等のPET樹脂に再生させる方法。

解重合にはエチレングリコール(EG)を加え、樹脂製造時の中間原料であるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)まで戻し、これを精製してPET樹脂に重合します。

ケミカルリサイクルの特徴として、解重合と再重合の間に異物や異種材料が取り除かれるためにバージン樹脂と同等のPET樹脂に再生できます。

Bメカニカルリサイクル(物理的再生法)

洗浄・破砕後に高温加熱し、PET樹脂に付着・吸着した汚染物質を除去しながら分子量を上げ、ペレット化を行います。この時、細かい目のスクリーンで濾過して固形の異物を取り除きます。

ケミカルリサイクルに比べて大掛かりな分解(解重合)・重合に必要な設備が不要なため、製造コストや環境負荷が少ないと言われています。

日本国内では、このメカニカルリサイクルを行っているところは現時点ではありませんが欧米では、飲料や食品用に再生する装置や工程をアメリカFDA(食品医薬品局)による安全衛生性の承認の下で実用化されており、今後も新しい方法が開発される可能性が高い方法です。

弊社のペットボトルリサイクル方法

    

 

リターナブルPETボトルが普及しない訳

 

皆様もご存じの「3R」(リデュース、リユース、リサイクル)のうち、「リユース」の代表と言えば「ビン」です。

空きビンは、酒屋や回収業者を通じて再利用されているため、同様にPETボトルもリユースできないか?と考えたのは環境問題に厳しいドイツや北欧諸国でした。

ところが、リターナブルPETボトルには思わぬ落とし穴があったのです。

Flavor Carry-over

回収したPETボトルに以前に充填した商品と異なる商品を充填した場合、以前の商品の香気がボトル内壁に吸着されていて、洗っても除去しきれず、次の商品へ溶け出して「異臭」となってしまうこと。

Off-Flavor

例えば、飲み残しがあった場合にカビが繁殖し、カビ臭がボトル内壁に吸着されていて、洗っても除去しきれず、次の商品へ溶け出して「異臭」となってしまうこと。

これらの苦情が報告され、リターナブルPETボトルの普及が進んでいません。

日本でも、リターナブルPETボトルについて「PETボトルリサイクル推進協議会」が201012月に検討を行っていますが、下記の理由(一部抜粋)により一部のトライアル品を除き、リターナブルPETボトルは導入されていません。

 

リターナブルPETボトルの健康・安全性に関しては、アメリカILSI(国際生命科学研究機構)の調査、TNO(オランダ食品衛生研究所)が1994年に発表した「PETリフィーラブルボトルの健康・安全調査」の報告によると、パラチオン、エチレングリコール、ガソリン、エンジンオイル、メタノール、キシレン等の化学物質は、アルカリ洗浄を行っても除去しきれず、PETボトル内壁の内部に残留し、内容液に溶出し、この最大溶出量を人間が摂取した場合、WHO(世界保健機構)の安全基準を超える化学物質が62モデル物質中12物質もあると報告されている。

この報告書の結論は、予期せぬ汚染(悪意はなくとも飲用済みのPETボトルを農薬等の人体にとって危害物質の一時保管に用いること等)で化学物質がPETボトル内に洗浄後も残留し内容液に溶出が、様々な許容摂取基準(ENTD)と照らし合わせた場合、健康に危害が及ぶリスクは非常に小さいながらも安全だとの結論に至っていない。また、FDA(アメリカ食品医薬品局)の一部の研究者が1997年に発行した「PETボトルのリユースに関する研究」報告書の中でも同様の報告がなされている。

また、2009年8月に環境省のPETリユース研究会が公表した、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法によりPETボトルをリターナブル(リユース)で使用する場合とワンウェイで使用する場合の評価を行った結果、「リターナブルPETボトルは、空ボトルの回収率が90%以上で、工場から販売拠点までの輸送距離が100㎞未満という非常に限られた条件下でのみ、ワンウェイPETボトルより環境負荷が小さい」という結果であった。

結論として、リターナブルPETボトルは、予期せぬ汚染があった場合、現在の洗浄技術・検査技術では100%の除去は困難である。しかしながら、会員制の宅配のようなクローズドシステムで販売する場合は、Flavor Carry-overやOff-Flavorが生じないように内容物を限定し、リターナブルPETボトルの問題点を充分会員に理解してもらい、リターナブルを行う意義、誤用しない等の啓発活動を徹底すればPETボトルのリターナブルシステムが我が国でも成立する可能性はある。

 

  • PETボトルリサイクル推進協議会ではガラスビンの調査も行っていましたので、参考として掲載します。

ガラスビンは、そもそも化学物質を吸着することはなく、アルカリ洗浄すれば完全に除去される。しかし、PETボトルは化学物質と接触すると、その物質を吸着し、アルカリ洗浄しても完全に除去することはできない。

 

リサイクル業者(再生繊維化)から見たPETボトル

リターナブルが難しいことを除いて、ほぼ完璧とも言えるPETボトルですが、私共PETボトルをリサイクルする立場の側からは、まだまだ改善すべき点が沢山あるのです。

このブログをご覧の関係者の皆様、私共リサイクル現場の声を反映させて頂ければ、廃棄が少なく、より効率の良いリサイクルが可能にかと思います。

①着色されたPETボトルの禁止

 

ご家庭やオフィスで普及している「水サーバー」のタンク、海外から輸入のPETボトルの一部(マッコリ、ボルビック等)、ワイン用のPETボトルの一部には、PETボトル本体に着色されているものがあります。

これら着色されたものが混じってしまうと、繊維として着色する際に同じ発色ができずに商品価値がなくなってしまいます。

PETボトル本体は必ず無色透明で、ラベルによって内容物を保護したもの以外は流通しないように国内外の規制をお願いします。

②生分解性プラスチック使用のPETボトルの禁止

 

環境に優しいとの触れ込みで植物由来の生分解性プラスチックを使用したPETボトルが増えてきましたが、自然界で分解されるのは何年もかかる上、具体的な被害報告は未だないものの繊維にした際に切れやすくなる可能性が指摘されています。

語感に惑わされず、PETボトルを使うのであれば徹底的にリサイクルがなされるよう余分な混ざりものを使用しないで頂きたいというのが本音です。

4ℓ焼酎系PETボトルのラベル

4ℓ焼酎系PETボトルのラベルのほとんどは「紙のシール」が貼られています。シールはラベル剥離機では除去できず、リサイクルができません

大きな容積のPETボトルにフィルムラベルを施すことによるコストアップ等の理由があるのかも知れませんが、リサイクルの事を考えて是非ともフィルムラベルにして剥がしやすくして下さい。

④キャップ、ラベル素材の統一化

 

プラスチックのリサイクルの肝は「同一素材」です。例えば、ポリプロピレンとポリエチレンが混ざってしまうと高度(バージン樹脂に近いと汎用性や製造効率が上がる)なリサイクルができません。

これもコストを考えてのことだとは思いますが、ポリプロピレン又はポリエチレンのどちらかに統一して頂けると。キャップやラベルのリサイクル率・有効率が上がり、様々な好影響が出てくるのです。

最近では、家庭用ボトルと称してはじからラベルレスの商品も登場しました。
また、PETボトル自体にメーカーロゴなどを成型するもの登場していますね。

いかがだったでしょうか?

普段身近に利用しているプラスチックのペットボトル。
流通も多く、リサイクル優等生であるペットボトル。
最近では、ペットボトルからリサイクルされた衣料品などが環境負荷製品として生まれ変わって店頭に並んでいます。
SDGsの観点からも消費したものをリサイクルし、リサイクルによって生まれ変わった商品を手に取ってみてはいかがでしょうか?

弊社では、ペットボトルを高品質なフレークとしてリサイクルしております。

 

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